A007 「すまいかたと家族像について」のアンケート報告(1)

今回、2013年6月14日から2013年7月3日に実施した「すまいかたと家族像についてのアンケート」には327件の回答が寄せられました。

 

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今回のアンケートの設問は以下9項目について伺いました。
1.家族について
2.住まいに関して
3.働き方に関して
4.地域との関わり方について
5.老後になった時のことについて
6.食事と趣味について
7.結婚について
8.子どもを持つことについて
9.二世帯住宅について

 

 

日本人の家族像は一世帯の家族数に大きな変化が訪れています。家族4人、子供は2人という高度成長時代の誰もが描いた家族のかたちは、高齢化、高齢者の一人暮らし、結婚しない若者、子供のいない夫婦、結婚しないで子供をもつシングルマザー、離婚といった、様々な世帯の様子へと変化しています。またそうした一人暮らしや夫婦2人だけという暮らしから、親族や親しい人たちが集まって住むという暮らし方も表れています。今回のアンケートではそうした、現代の家族像について改めて調査をしてみようと思いました。

 

 

まとめ
今回のアンケートからは、特に老後の暮らし方について不安に感じている方が多いことが分かりました。老後はできるなら子どもに面倒をかけずに夫婦で暮らしたい、また、今の家を手放してより小さな家に住みたいと思うという考え方が、高い年代の方に支持されています。また、老後の住居のために貯蓄をされている方が多いことにも驚かされました。

 

また40代の方に他の世代とは違う特徴が多く見られました。田舎暮らしをしたい、仕事をしたい、地域との交流をもちたい、2地点居住をしたいなど、人生の大きな変換点ににいるのかもしれませんし、時代の変化を敏感に感じる世代なのかもしれません。
働き方については、半数を超える人が在宅で働きたいと考えています。今後家で働くことを選択する人は増えていくでしょう。

 

1.家族について

 

あなたの家族を教えてください。あなたが家族と聞いて、思い描くのはどなたですか。

 

母と答えた方が最も多く、65.9%でした。ペットと17.2%の方が答えていることも注目したいところです。また、叔父や叔母、いとこと回答した方も3%前後いました。

「その他」の回答については、彼女、パートナー、義姉、姪、妻の親族、子供の配偶者やその子(孫)、同居している祖父母、孫、弟の嫁、同じ趣味を持つ親しい友人が上げられました。

 

同居していない家族はいますか。

 

72.0%と、多くの方が同居していない家族がいると答えました。

 

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2.住まいに関して

 

現在どこで暮らしたいですか。

10年後は、どこで暮らしたいですか。

20年後は、どこで暮らしたいですか。

 

現在暮らしたい場所については都市という回答が最も多く71.8%でした。10年後暮らしたい場所について伺うと、同じく都市が最も多いものの、62.1%と約9%減少しています。さらに20年後は55.1%と都市に暮らしたいという回答はさらに減少しています。とはいえ、その一方で田舎暮らしがいいという単純な図式でもなさそうです。郊外や2地点居住といった選択肢も増えているようです。また現在から20年後の暮らしたい場所の中でつねに10%以上の人が海外と答えている事にも注目したいところです。

 

現在どこで暮らしたいですか。

 

現在暮らしたい場所について年代別にみると、20~29歳までは都市で暮らしたいと94.7%もの方が回答しています。50〜59歳までその割合は減少しているものの60歳以上では再び69.0%と増加しています。郊外で暮らしたいと回答している人の割合は、40〜49歳で25.8%と高く、自宅を手に入れる段階で郊外に住むという選択肢が出てくるのかもしれません。

 

 

10年後は、どこで暮らしたいですか。

 

10年後暮らしたい場所について年代別にみると、50〜59歳では田舎で暮らしたいと回答した方が22.5%です。年代が上がるにつれて、田舎で暮らしたいと回答する割合が高まっているもの60歳以上では10.3%と12%も減少しており、定年前には田舎での暮らしを考える方が増加するものの、定年をして実際の老後を送ると都市での暮らしがよいと考えていると言えそうです。

 

 

20年後は、どこで暮らしたいですか。

 

20年後暮らしたい場所についても同じような傾向が見られ、60歳以上の人は、都市で暮らしたいという方が少し増えています。また2地点居住も40代で一挙に増加する事も自宅を手に入れたものの、通勤の時間の問題や、週末をもっとゆっくりくらしたいという願望もあるのかもしれません。さらにこの年代40代では海外で暮らしたいという人が20.2%にもなっているのも特徴的です。

 

 

家を持つために、貯蓄をしていますか。(全体)

家を持つために、貯蓄をしていますか。(年代別)

 

60.2%の方が家を持つために、貯蓄をしていると回答しました。年代別に比較すると、30~39歳が最も貯蓄していると回答した割合が高く66.3%でした。いわゆる一時取得者層になります。また60歳以上の方も56.9%と、半数以上の方が老後の自宅取得を考えていることが分かります。

 

 

家を持つとしたら、どんな形を考えていますか。

 

家を持つとしたら新築分譲マンションが良いという回答は49.5%と約半数を占めました。また中古マンションが5.1%、中古リノベーションが6.5%と中古市場が11.6%もいます。また現在の家をリノベーションするという人も6.5%もいることも注目する数字です。なお戸建よりンションへの関心が高いのは回答者が都心に住んでいることの特徴といえます。通常全国平均では戸だて市場の方が多いのが一般的です。

 

 

予算はいくらぐらいですか。(全体)

予算はいくらぐらいですか。(年代別)

 

家を持つための予算をお効きしたところ3000〜5000万円と回答した方が最も多く38.7%でした。年代別に見ると20〜39歳の住宅一次取得者の50%以上の方が、3000〜5000万円と回答しています。年齢があがるにつれて予算は低くなりますが、一方で60歳以上の方のうち15.5%が7000万円以上と回答していることにも注目したいところです。

 

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3.働き方に関して

共働きに賛成ですか。(全体)

共働きに賛成ですか。(性別)

共働きに賛成ですか。(年代別)

 

全体の71.2%の方が共働きに賛成と回答しました。女性の方が男性より共働きを指示する方が5%ほど多く、年代別に見ると若い世代の方が高い数字を示しています。その数値は20代、30代では90%近くにまでなります。

 

もし、あなたが家で働けるならば在宅で働きたいと思いますか。(全体)

もし、あなたが家で働けるならば在宅で働きたいと思いますか。(性別)

もし、あなたが家で働けるならば在宅で働きたいと思いますか。(年代別)

 

全体では56.7%の方が在宅で働きたいと回答しました。男女別に比較すると女性が男性よりも多く、60.3%の方が在宅で働きたいと回答しました。子育てや家事をしながらも働きたいという意欲があるのでしょう。年代別に見ると20〜29歳では42.1%と最も少なく、30〜39歳では61.3%と最も多く、その差は19.2%と顕著です。子供に手がかかる時期なのかもしれません。

 

もし、配偶者が家で働けるならば在宅で働いてほしいと思いますか。(全体)

もし、配偶者が家で働けるならば在宅で働いてほしいと思いますか。(性別)

 

全体では36.8%の方が、配偶者が在宅で働けるならば働いてほしいと回答しました。一つ前の回答と比較すると男性は55.0%の人が在宅で働きたいと考えていますが、妻からは家で働いてほしいと思う人は19.2%しかいない点も注目したい傾向です。男性が在宅で働くにはここに課題がありそうです。

 

結婚しても働きたいと思いますか。(全体)

結婚しても働きたいと思いますか。(性別)

結婚しても働きたいと思いますか。(年代別)

 

全体の78.8%の方が、結婚しても働きたいと回答しました。男性の方がわずかに多いものの男女共に75%以上の方が働きたいと回答しました。年代別に見ると30代では92.5%と他の年代に比べて著しく多い数値となっています。20代では結婚してからは働きたいと思う人が最も少なく、68.4%。思わないと回答した方が15.8%と他の年代に比べて最も多いです。一旦は家庭にはいって主婦に専念したいものの、実際にその環境になるともう一度仕事をしたいと思うのかも知れません。

 

料理教室、書道、英会話など趣味を生かした仕事をしたいと思いますか。(全体)

料理教室、書道、英会話など趣味を生かした仕事をしたいと思いますか。(性別)

 

趣味を生かした仕事をしたいと思うと回答された方は全体の42.7%でした。男性の方が、女性よりも約5%多い結果となっています。

 

田舎で仕事をすることについてお聞きします。 田舎で仕事をした経験がありますか。(全体)

田舎で仕事をすることについてお聞きします。 田舎で仕事をした経験がありますか。(年代別)

 

田舎で仕事をした経験があると答えた方は全体の16.4%でした。年代別に比較すると、経験がある、もしくは現在していると回答したのは40代で最も多く23.4%ですがこの年代だけ突出しているのも不思議です。30代まで一般の仕事をしてから、田舎暮らしの経験をしているのかもしれません。

 

田舎に行って仕事をしてみたいと思いますか。(全体)

田舎に行って仕事をしてみたいと思いますか。(性別)

田舎に行って仕事をしてみたいと思いますか。(年代別)

田舎に行って仕事をしてみたいと思うと回答した人は全体の23.4%でした。性別によっても回答に差があり、男性では27.8%、女性では16.6%の方が仕事をしてみたいと回答しました。また年齢別に見ると、ここでも40〜49歳になると約30%と大きく増加しています。一方、定年を控えた50代、定年後の60代では減少し、現実にはまだまだ働く必要があつのかもしれません。

 

 

その理由を教えてください。
(田舎に行って仕事をしたい)
・田舎が地元なので、自分の故郷のために貢献し盛り上げ、その地で過ごしたい。
・働くということの原点は自分で食すものを自分で作ったり  採ったりすることだと思うので。

 

(田舎に行って仕事をしたいと思わない)
・田舎には、田舎のいいところがあるが、仕事として考えると、成り立たない部分もある。
・田舎で暮らしたことがなく生活の想像ができない。
・地方の田舎出身です。元気な人には刺激が少ないし、年寄りには不便なところです。

 

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「すまいかたと家族像について」のアンケート報告(2)へ続く

 

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