#43 マンションの共有部分を街に開く

前回はマンションの共有部分に子育てのサポート施設をつくり管理会社も一緒になって安い費用で運営するという事について書きました。今回はその話をもう少し考えてみようと思います。マンションの暮らしでは、子育て支援だけでなく、共同でもてば楽になるようサービスがいくつもあります。老人介護施設、ブックカフェやオープンオフィスなどマンションの中にあったら、たしかに便利でしょう。しかし運営や収支を考えると管理費の支出が増えたり、外部の業者に委託するにしても採算が取れるかが課題になります。そうしたことを考えるとマンションの共有部分を街に解放して近隣の人も利用できる施設にするというのも考え方のひとつです。前回触れた学童保育所も現在不足しています。学童保育所は助成金も少なく運営がとても厳しいのが現状ですが、マンションの運用と会わせて管理会社が行ったり、マンション内の住人が働く事で、運営コストの負担を少しでも軽くする事が可能になるかもしれません。

 

実はマンションの場合、共有部分は建築の延床面積には入りません。しかし、外部の人も利用するとなると建築面積に参入されてしまい、専有面積が少なくなってしまうというやっかいな問題が生じてきます。大きなマンションでは、一住戸あたりに影響する割合は少ないでしょうが、中規模のマンションだとその影響は小さくはありません。

 

こうしたマンション特有の事情がマンションの共有部分を外部に開く事ができない理由になっているのです。さらにもうひとつの課題はセキュリティーです。中からも外からも出入りができるようになるとセキュリティーをどうするかも課題です。とはいえ人の目がある場所になることでキュリティーは強化されるともいう考え方もありますし、建築的に、また視覚的に解放されながらセキュリティーを確保するような方法もあるでしょう。

 

このようにいくつかの課題はあるのですが、もし法律が緩和されて、共有部分が街に必要なサービスを供給する場となり、暮らしに必要な場所となるならば、マンションの暮らしがもっと快適になりそうです。また、日常の暮らしにかかる支出が安くなるようなサービスになればとも思います。

 

共有施設を街に開く事、街の大切なサービスの核になること、そして住む人の暮らしにもっと密接に関係するようにすること、今回の提案みなさんはどのように思いますか。ご意見お寄せください。