『アクアリウムマンション』

<アイデア賞>

丸山 正寛 様、山下 めぐみ 様、道幸 立樹 様

 

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「アクアリウムマンション」 

 

<シナリオ>

■Concept
「アクアリウムマンション」 海に囲まれた生活をすることで、毎日癒される空間を考えました。 また、趣味を同じくする人が集まることによって、無理のないコミュニティ形成が可能になると考えております。 これからのマンションは「立地」「間取り」「価格」の次に「共通の趣味・趣向」となると考えます。

 

■Scenario
今、目の前を、石鯛が通って行った。 おいしそうだなと思って見ていると、お隣の山さんが合図で、「そろそろ上がろう」というサインを出している。 かれこれ潜り始めてから30分ぐらいだし、ちょうどいい頃合いだ。 少し泳いで、出入口のハッチについた。 ハッチを開けて、気圧室に入り、いつも通り隣の部屋でシャワーを浴びて着替えを済ませた。 水は海水を浄化したもので、シャワーから飲料水まで利用されている。 電気も潮力発電と風力発電から取り込んでいる。 部屋を出ると、先に着替え終わっていた山さんが待っていた。 山さん「今日は魚がたくさんいて楽しかったね。今度は、いつにしようか?」 私「今度はもっと大勢で潜りたいから、マンションのコミュニティサイトで人を募ろうか!」 山さん「じゃあ、まかせた!」 などと、次のダイブの約束をして、エレベーターに乗り込んだ。 先ほどまで泳いでいた海が眼前に広がる中、下に降りていくと私の部屋があるフロアに到着した。 自室に向かう廊下は一本のチューブになっており、球体の私の部屋が見える。 こんな形の部屋は地上では作れないだろうな、と考えながら部屋に入ると、正面には一面の海が広がっていた。 向こう側にはダイバーが見える。 もちろん、マジックミラーのようになっていて、こちらを見ることはできない。 このマンションに来てから、私は文字通り360°海に囲まれた生活を送っている。 部屋にはもちろんのこと、キッチン、お風呂、トイレに至るまで、窓がついていて海を24時間楽しむことができる。 ご近所さんは、やはりこんなマンションに住むだけあって、海好きな方ばかりだ。 今度、2F(といっても上から下に2Fのことだが)の田中さんにサーフィンを教えてもらおうかな。 さて、買い物に出かけなければ。 先ほど乗ってきたエレベーターに乗り、地上に出た。 屋上にある駐車場で、マイカーに乗り込み、陸地に向かう。 駐車場にはヨットや船も停泊している。 そうだ!来週末、共用のクルーザーで、ご近所さんと釣りに出かけよう。 となれば、買い物のついでに釣竿を買ってこよう!

 

<審査員コメント>

『カーサ・ブルータス』編集長 松原亨氏 講評

カーサ ブルータス編集長、松原と申します。審査をさせていただきまして、『アクリアウムマンション』をアイデア賞とさせていただきました。まず、アイデアとして僕が一番面白いと思ったのが、シナリオの最初にも書いてあったことなんですが、「マンションで集まって住む場合、住民たちが共通の趣味を持っていると自然とコミュニティが生まれる」というところに目をつけたこと、しかも現実的であるということがよかったと思います。趣味が共通だといろんなことを自然と共有できるというか、自然とコミュニケーションがうまれる。この作品は海が好きな人が集まるマンションですが、たとえば本が好きな人たちが集まるマンションなら大きな図書館のようなところになる。そこならお互いに本を共有して、本について話をしたり、貸し借りしたり。そうやって、趣味を共有していると、とても自然な形でコミュニティがうまれる。そういう発想がとてもよかったと思います。おめでとうございます。

 

→受賞者のコメント

3人が微力な力を結集して作りました。ドッキリじゃないかとずっと思っていたんですけど、本当に受賞できたこと心から嬉しく思います。これから一生懸命に頑張って、我々の実際の商品も頑張りたいと思います。