M13 玄関収納について考える2 〜暮らし方から考える〜

 

今回の収納プロジェクトでは玄関収納について考える事にしました。もちろん玄関収納自体の改善も必要なのですが、一方で玄関全体のあり方を考えてみる必要もありそうです。これは暮らし方や間取りと関係するので、すぐに解決できる問題ではありませんが、今回のコラムでは玄関スペースの使い方を含めて考えてみようと思います。

土間+ワークスペース(f 図面参照) 

 

まずは、現在一般的に考えられる間取りの中で、玄関収納の改善方法をいくつか見てみましょう。

 

間取り A-C

 

 

aは通常の収納ですが、収納自体を大きくするというのもひとつの方法です。一般的な大きさより(三菱地所レジデンスの標準は120センチです)、玄関収納自体の幅を40センチほど広げています。

 

bはウォークインタイプのシューズクローゼットにしてみました。一目で全体が見渡せ、靴以外にも外で使う物などを納めることができます。しまいやすさだけでなく、使いやすさや整理のしやすさは、収納にとって大切な事。また、収納を考える上ですべてに言える事ですが、いつまでも使わない物は捨てる事も大事です。

 

cは、廊下の一部に収納をつけました。靴だけでなく様々なものを納めることができるようになっています。持ち物の数や種類にあわせて、玄関近くに収納をし、自分の部屋まで物を持ち込まないで暮らすという方法です。廊下を単に通路としてだけでなく、大きな壁面収納としてみました。

 

 

次に、玄関スペースの使い方も併せて考えてみましょう。

 

間取り D-F

 

dは土間を設けて小さな書斎をつくると同時に、玄関先で外から入るものを遮断しようと考えてみました。仕事の残りを片付けるなど、家の中へ仕事を持ち込まないように玄関先で処理してしまうのです。

 

eはアウトドアや趣味のスペースにしながら、それに関する様々な物も一緒に収納しようと考えてみました。自転車のチューンナップをしたり、サーフィンやスキー、釣り道具の手入れをしたりと、大変便利です。場合によっては玄関のクローゼットに納まりきれない大きな物を置いておく場所としても使えます。

 

 

fは小さなリビングをつくってみました。来客などのスペースとしてここだけはいつもきれいに保っておけば不意のお客さまにも安心です。家の中にはもうひとつ家族でくつろぐリビングを置けば、その場所は少し散らかっていても気になりません。もちろんお客さまだけでなく、仕事の話や仲間とのコミュニケーションをする場として活用してもいいでしょう。

 

 

収納は単に物をしまうだけでなく、暮らし方と密接に関係しているのです。収納を考えるとは、どんな暮らしをしたいかということと言えるかも知れません。その上でどこに何を置くのか、さらには将来の可変性も含めて考えるといいでしょう。さらに、始めから造り付けている家具だけでなく、あとから置く家具のスペースも考えておきたいものです。

 

いかがでしょう、玄関まわりを生活の場として考えるという事。
みなさんのご希望やご意見を是非お聞かせください。