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A011 「玄関収納について」のアンケート報告
実施期間:2013年11月20日 ~ 2013年12月4日
回答者数 2,122人
7月に実施した収納のアンケートでは家の中の様々な収納の課題が浮かびあがりました。その中でも玄関収納についてはもっと改善の余地がありそうだと考えていました。玄関収納には靴だけでなく、防災グッズやベビーカーなど様々な大きさ、種類のものが収納される場合もあります。また靴の収納量はどうでしょうか?
みなさんはどのように玄関周りを使われているのか、今回は玄関収納についてもう少し詳しく伺ってみました。
1.現在の収納について伺います
柄の長い雨傘や日傘は4〜6本所持している人が41.9%、一方で折りたたみの雨傘や日傘等は1〜3本所持している方が45.6%と約半数にも及んでいました。家族が1人1本傘を持っているのではなく、予備分もあわせて少し多めに置かれているようです。
スリッパは来客用以外のものは3足以下と回答したのが57.8%で、おそらく1人1足持っているということが推察されます。一方で来客用スリッパに関しては、3足以下が39.6%、4〜6足が36.1%と、ややばらつきがあるという印象でした。週末になるとパーティーを開いたり親戚が集まるような、人の集まることが多い家では来客用スリッパは多く用意されているのかもしれません。
世帯人数によって差は出るものの、10〜20足という回答が27.1%と最も多かった事に加え、婚姻状況と掛け合わせて比較してみると、未婚の方は10〜20足という回答が29.5%と最も多く、既婚の方は21〜30足という回答が27%という結果が出ました。既婚の方の回答は世帯全体としての靴の所有数だと推察すると、一人あたりの靴所有数は10足前後、それが家族の人数によって変動するということが見えてきます。
ここでは靴のケア方法について聞いています。70%の方は帰ってきたら靴を玄関脇に置き、空気に当てて乾燥させてから収納しているようです。また、買った時の箱をそのまま使う方が69.9%、季節ごとに入れ替えをしている方が61.9%と、各家庭での靴の収納方法があるように推察されます。
靴が玄関で収まらない場合、押入れ、玄関収納、廊下収納に保管しているという声があがってきました。こういった場所への靴の保管については、使用頻度がさほど高くない季節の靴(ブーツ等)や長靴等、日常的に履かないものが収納されているのかもしれません。
靴以外に玄関で使用する機会が多いもの、例えば宅配物を受け取る認印を玄関に置いている人は46.6%、自転車や家の鍵を玄関に置いている人は49.6%と約半数にものぼりましたが、玄関には置いていない方も半数を占めています。人によって違いがありそうです。
質問16. 質問 15.で「はい」とお答えした方にお聞きします。どのようなものをお使いですか?
・棚を増やすためのラック
・靴の上にはめこむ収納グッズ(1足分のスペースで2足収納できるもの)
・かご
・ブーツを吊るすフック
・傘立て
子供の遊び道具、スポーツ用品や防災グッズについてすぐ外に持ち出せるものの収納方法について伺いました。自転車用品やゴルフ用品、テニスラケット等、外に持ち出して使用するものは玄関の近くに置かれているようです。また、お子さまがいらっしゃるご家庭ではベビーカー、ペットを飼っているご家庭では動物用バギー等、外出する際に必要なものは玄関からすぐ手の届く玄関先に置かれているようです。また、防災バッグも逃げ道となる玄関に収納している方が半数近くいました。
2.玄関収納に入れるものや収納方法についてお聞きします
玄関収納の中にコートを入れる場所を確保したいという声は、性別で分類すると、共感すると答えた男性が51.9%に対し、女性は63%にも及び、男女ともに高い割合でコート掛けへのニーズがありました。
防災グッズはすぐ手に取れて外に出やすい玄関収納に置いておきたいという回答が54.1%、次いで夜寝ている時に災害が発生した際に身を守るために寝室収納に置いておきたいという回答が28.8%でした。置き場を家族全員が認識し、素早く取り出せる場所に置くということが求められるでしょう。
玄関収納にスツールがあることに共感したのは58.9%でした。靴を履くときにちょっと腰をかけて靴紐を結ぶ、荷物や鞄を一時的に置く場所等として重宝しそうです。さらに性別で集計したところ、女性の方が共感度が高い結果が出ました。ブーツを履いたり、鞄を日常的に持ち歩いたりすることが多い女性にとっては、スツールの必要性は高いようです。
シューズケア用品は靴に近い場所に置いておくと、思いついた時にすぐ対応でき、身だしなみを整えることができます。靴墨やクリーム、ブラシ等のセットをまとめて保管できる場所が玄関収納にあると望ましいという声は91.9%にも及びました。
出かける前の身だしなみを最終的に確認するのは、靴を履いた玄関先がよいと考える方が多いようです。姿見鏡を置きたいという回答は70.7%にも及びました。そのうち42.1%の方は、扉を開けなくてもすぐに身だしなみが確認できるよう、玄関収納扉の外側についているものが良いという回答でした。また、姿見のニーズは男女とも同じくらい高いという結果も出ました。
3.玄関でしたい事についてお聞きします
近隣の方と玄関先で話すという行為に対して共感したのは全体の23.6%でした。全体における割合としてはさほど高くはありませんが、年代別に見ていくと、年齢と比例して共感する人が増えて行くという大変興味深い結果が出ました。戦後間もない頃は家の中に土間があったり、あるいは団地等の集合住宅における共用部で近隣の方と話をしたり、野菜を共同購入したりという文化があり、その頃の価値観を大切している方々が、玄関先の活用に高い関心を示しているということが推察されます。
玄関という考え方を少し拡張して、玄関先で近隣の方とコミュニケーションを取る場所と考えることについては、土間や団地等コミュニケーションを取る場所を持つ暮らし方をしていた年代の方は共感を示していましたが、若い世代の方はそのような暮らしの経験がないためイメージがしにくいというのは注目すべき点です。一方で、若い世代では趣味のものを収納する場所として玄関を扱っているという点は興味深いです。年代によって玄関という場所の活用方法は様々なようです。
4.現在の玄関収納以外の収納についてお聞きします
特定の季節でのみ使う扇風機が47.6%、暖房器具が38%、季節掛け布団32.8%等の割合。これらのものは元使っていた場所の近くで保管したいものの、部屋の収納量に余裕がなく行き場に困っている様子が見えてきます。
来客用の布団は、特に戸建(所有)にお住まいの方は88.9%もの方が1〜6セットは持っているのが注目すべき点です。戸建は押し入れや収納スペースがマンションよりも多く備えられているため、来客用の布団も多めにに持っておくことができます。一方でマンションにお住まいの方は来客用布団を持っていない方が多く、使用頻度は低いものの収納スペースを取る来客用布団は、収納の優先順位が下がっているように見えます。
全体のまとめ
今回のアンケートは、2122名と多くの方に回答いただきました。ありがとうございます。みなさん玄関収納への関心が非常に高い事が伺えます。と同時に、玄関収納についての問題点や課題も様々なご意見が集まりました。
今回のアンケートでは、玄関収納での靴の収納数がやや足りず、押し入れや廊下収納等に分散させているという声は注目すべきものでした。特にマンションにおいては、収納スペースが限られているため、必要最低限のものを合理的に収納しなければならず、様々な場所に分散して収納している等の工夫が見えてきました。本来は、季節で入れ替える靴も含めてすべて玄関収納に収めたいのでしょうが、家全体の収納量とのバランスを考えて行く必要があるのかもしれません。また、玄関収納には靴だけでなく生活スタイルによって様々なものが収納されているようです。
靴はもちろん、それ以外のものにも対応できるような可変性が必要であるようです。靴がきちんと仕舞えることが大前提ではありますが様々なものにも対応できるような可変性のある収納をめざし今回のアンケート結果を2014年4月に発表予定の玄関収納の開発に取り入れていきたいと思います。
その他、扇風機や暖房器具、季節用布団、来客用布団など、ある一定の時期にのみ使用するものの収納先についても考えていきたいと思います。