#51 日本の家は空き家が多い 〜空き家を活用する

日本は人口が徐々に減り始めています。高齢化や少子化はますます進んでいます。そして空き家も増えています。今や首都圏には約13%もの空き家があるのです。空き家問題は田舎のほうが一般的ですが、都市でも大きな課題となりつつあります。多くの場合は相続の時に、引き取り手がなかったり、相続がうまくいかずにそのまま放置されていたりするのだそうです。たしかに、日本の都市は縮小しているのです。空き家が増えると街は安全面でも不安が起こりますし、なにより街の活力がなくなります。

 

そこで考えたいのがこうした空き家をもっと活用していく事ができないかと思います。空き家を積極的に賃貸にしたり、大きな家は、何人かで住むシェアールームにしたりと。また住むだけでなく、小さなお店にしたり、カフェにしたりというのもあるでしょう。他にも高齢者で使えるグループホームにしたり、子育て支援の施設として活用したり、または少し突飛なアイデアですが長期滞在のホテルにしたりとするのもあるかもしれません。

なにしろ13%といえば8件に1件が空き家です。

 

こうした空き家を活用する事で、家と街の関係も少し変わるかもしれません。

戦後の日本は、プライバシーを強化し、塀をつくり隣の人や外からの視線をさえぎってきました。その結果、近隣との関係が希薄になってきたのです。新しい用途として空き家を使って、安く住めるようなシェアールームができたりするならば、家がもっと街に対して開いていくような装置になるのかもしれません。そのことで人のにぎわいがうまれるかもしれません。時間貸しなどの駐車場などの空地の利用も、なにか他の方法で活用ができそうにも思います。今まで密集して住み続けてきた戦後の日本の住宅事情から、これからは反対にどんどん空き家が増えていくのです。人口が減るだけでなく、高齢者や単身者も増える時代です。今回の提案は、地域の人たちの知恵でそうした家や土地を社会の変化に合わせて活用の方法を考える事。そしてそれを街の人と一緒に考えていく事を考えてみてはいかがでしょうか。

 

みなさまのご意見お寄せください。

 

PS:今回のコラムの話は、戸建てだけでなく、分譲マンションにおいても起こりつつあるようです。古くなれば所有者も高齢化が進み、同じような状況も起こるのです。今後そのあたりのことも考えてみたいと思います。