#54 リノベーション賃貸

今回は分譲のマンションでなく賃貸のマンションをリノベーションするという事について考えてみようと思います。今回そのことについてとてもユニークな賃貸経営をしている方とそのマンションについて紹介したいと思います。

 

この事業を2年前お父さんから譲り受けたのだそうですが、古い何の変哲もない賃貸マンション、空き室もあり困ったそうです。そこで考えたのが、お客様に好きな壁紙を選んでもらい張り替えるということです。一般的にはマンションの壁は白い壁です。どこのマンションもそう変わりはありません。実はこの好きな壁を選んでもらうということがこの建物の将来を大きく変えていったのだそうです。その後インテリアデザイナーも参加して壁紙選びや壁の塗装などの色選びをサポートしていきます。賃貸だからこそ思い切って自由な発想で色や柄を選ぶ事ができるのかもしれませんし、あまりに突飛な選択はプロがアドバイスしてくれるので安心感もあります。こうしたマンションに住む人は、普通の賃貸では満足していない人たち、家具やしつらえもこだわりがあり、ここでは、出来上がるとその部屋のお披露目を住人全員に呼びかけるそうです。そこで会話もはずみ、自然にマンション全体のコミュニティも生まれると言います。今では住人同士がFacebookを通じて時々マンション全体でイベントを催したりと、不思議な仲間意識がこのマンションに生まれつつあるのです。またそれぞれの部屋はネットで公開されていて、今では人気の部屋もたくさん生まれ、空いたら是非入りたいとウェイティングのお客様も多くいるとのことです。

 

さらに、最近もうひとつ大きなチャレンジをしています。一旦全部の壁や内装を取り壊し、まったくのフリープランでインテリアデザイナーと一緒に作るフルリノベーションという仕組みです。“カスタマイズ賃貸”と名付けています。つくるプロセスも公開していて、今では話題の物件となっています。きっとここにも多くのウェイティングが並ぶ事でしょう。自分の暮らしにこだわりのある人があつまることで、コミュニティがうまれ、そしてなによりそれをつないでいくオーナーの人柄やセンスの良さが住人から慕われているようです。昔から“大家さん”は“親と思え”というような言い方をしますが、今では入居者の結婚式にまで出るという信頼感が生まれています。

 

賃貸マンションで実現できる、暮らす人が愛着を持てる住まい作り、それは将来の自分の家づくりへの経験としても、そして暮らしを楽しむ気付きにもなるのでしょう。

 

みなさんはどのように思いますか。ご意見お寄せください。