#55 未来のシナリオ 〜クラウドと高齢化社会への可能性

今私たちの廻りではすごい勢いで技術は進化し続けています。特に情報通信の技術の進化は目を見張る物があり、私たちの行動は知らないところでどんどんと記録されていくようになっています。その技術を支えるのがクラウドと呼ばれるサービスです。小さなそして大容量の記憶装置が次々と開発され、目に見えないところにその情報は書きためられていくようになりました。その結果、自分が必要な時に必要な情報を引き出す事ができるようになりつつあります。どのコンピューター端末からもパスワードひとつでそのデータにアクセスできるようになってきたのです。

 

こうした環境は人々の暮らしをどんな風に変えていくでしょうか。今日行った場所、会った人、食べた物、買った物、撮った画像などが自動的に記録されていきます。それぞれの情報も整理されて引き出す事が可能になるでしょう。たとえば買った食品の賞味期限が冷蔵庫の扉に自動的に表れるとか、眠っている間に測定された健康情報が鏡の前に自動的に表示されたり、顔色を見て健康状態をを分析してくれたりもできるようになるでしょう。マンション内でも様々なサービスの情報も共有できると便利です。またセキュリティーについても監視カメラの画像処理の解析スピードが速まり、不審者がマンション内にはいるのを防いでくれるようになるでしょう。

 

こうしたネット上でのサービスはますます便利になるのですが、一方で自分の情報が外に対してどこまで開示していくのかも大きな課題となるかも知れません。
とはいえ、こうしたサービスが便利である事は間違いないでしょう。特に大きな可能性があるのは高齢化に対応したサービスでしょう。たとえば、見守りサービスというのがありますが、今は一ヶ月あたり3万円前後とかなりの費用がかかるようです。これはこうした情報技術を駆使することでもっと安価にできるはずです。きっと近い将来身近なサービスへと変わっていくでしょう。部屋の中にいても外から元気でいるのか、何を食べているのかというようなことはすぐに知る事ができますし、何かあればかけつけることもできるでしょう。遠く離れた家族も状況をいつでも知ることが出来ます。さらに具合がよい時には、近くの人や親しい友人と簡単に連絡がつくでしょうし、イベント案内やどこに行くとどんな人に会えるといったような情報が流れてきたり、テレビ電話を利用して家にいながら、あたかも近くで会っているような映像や音声を流したりもできるでしょう。そしてこうした技術と人間のサービスが融合する事で、誰もが違和感なく自然にサービスを受ける事が出来るはずです。今でもマンション内で行われている受付業務なども変わるでしょう。マンションの入り口の受付に変わって、コンピューターの画面上にコンシェルジュが現れるようになるでしょう。使う人はなんの操作もしないでただ口頭で話をすれば解決してくれるのです。買物や、飲食店のお店探しなどもすぐに対応できるに違いありません。

 

これらのサービスの大きな特徴は、様々な情報が自動的に記録されていくという点です。行動が記録されているので、あらためて情報を入力しなくてもいいという点です。さらに実際の人間がインターフェイスになることで、正確かつ大量なデータを的確に編集して、サービスを受ける側にはなんの手間もかけないということが実現するのです。

 

みなさんはこうした社会の到来をどのように思いますか。便利だと思いますか、それとも個人情報がどこかに蓄積される事に不安があるでしょうか。是非みなさんのご意見をお寄せください。