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A014 「高齢化社会に向けたマンションサービスについて」のアンケート報告
実施期間:2014年4月30日〜2014年5月19日
回答者数 405人
今回、2014年4月30日から2014年5月19日に実施した「高齢化社会に向けたマンションサービスについてのアンケート」には405件の回答が寄せられました。
今回のテーマは「高齢化社会に向けたマンションサービス」についてです。前回のアンケートで、現在住んでいるマンションの共有部分を使って、食事や家事助け合いをする仕組みを“コレクティブサービス”と定義しました。しかし自分達で相互扶助を行うだけでなく、お金を払っても受けたいサービスがありそうだということもわかりました。今回はその内容をさらに掘り下げ、自分が高齢者になった時のためにどのようなサービスがマンションにあったら使いたいかという点について伺いたいと思います。ここでの前提は元気な高齢者です。
まとめ
高齢化社会に向けたマンションサービスについて、食事、家事、健康、つながり、仕事、ボランティア活動等様々な切り口から伺ってみました。
食事・家事・健康については、より具体的なサービスの内容と価格の比較が必要となりそうです。それぞれの回答者のイメージも多様で、また社会変化の中で必要なサービスの形も想像しにくくなっているのかもしれません。
つながり・仕事については、高齢化社会の中で生き甲斐を持って生きる仕組みをどううみだしていくのかが課題になりそうです。サービスには様々な形が予想されそうですが、プライバシーは守りつつも、自分が高齢者になったときには家事代行や食事サービスを受けたいという声が多く、また元気なうちはボランティア活動等もやっていきたいという声もありました、一人ではなく家族や近所の方とつながりをもって暮らすことを望んでいるという印象も受けました。さらにマンションの役割はマンション内の住人サービスだけではなく地域に開き、地域内のサービスと連携していくことも考える必要があるでしょう。
1.食事について
マンション内にキッチンや食堂が欲しいというニーズは50.4%の方が感じていることが分かります。さらにどんな場所が良いかという問いに対しては、場所だけあればよいと答えた方が27.4%、集会室を開放してくれればよいと答えた方は28.9%です。食事を作ることへのニーズもある一方で、持ち寄ってご飯を食べる場所へのニーズも高いようです。
具体的にどのようなキッチン・食事のサービスを求めているかという質問については、プロの運営会社に委託するのが良いと回答したのが全体の17.0%、一方で、住人皆で交代しながら料理をつくる仕組みがあれば良いと回答したのも17.0%と、品質や効率を求めて外注したいというニーズと、自分たちで料理をつくりたいというニーズが同じ位存在していることが見えてきます。さらに年代別に分析していくと、30代・40代は自分たちで料理をつくりたいというニーズの方が高く、50代・60代はプロに委託して料理をつくってほしいというニーズの方が高くなっています。年齢を重ねる度に日常的な動作が難しくなってくるので、外部に任せられることはなるべく任せていきたいという想いがあるのでしょうか。
全体で42.5%の方が、1食あたり500円なら利用したいと回答しています。
質問6.「共用部分は必要ない」とお答えの方にお伺いします。その理由を教えてください。
・プライバシーを大切にしたい
・管理が大変
・管理費がかさむ
・それぞれ自宅で食べたいから
・マンションの共用施設は、集会場のみでかまわないと思う。自由に飲食できるようにしたら管理が大変で組合がもめる元になりそうだし、管理費がかさむ可能性もあるかと
・衛生面が気になる
・余計なトラブルが起こりそう。臭いや後片付け、食中毒などの責任のありかがうやむやになる心配
・寮ではないので、あまりに大衆的な機能は不要だから
食事を取るスペースとして、共用部分にキッチンと食堂があった方が良いと答えた方が38.5%である一方で、既にある集会室等を開放し自由に飲食ができるスペースにした方が良いと答えた方が39.5%と、新たな設備を求める声と、既存の設備をさらに活用することと、いずれのニーズも高いようです。一方でマンション内の共用部分には食事を取る場所が必要ないと回答した14.1%の方は、プライバシーの確保、衛生面への懸念や、コミュニティ活動を促されることへの抵抗感があるといった声も上がりました。
食事ができる場所さえあればかなりの部分は満足できるでしょう。その上で、一緒に作るという経験が大切であるように思います。全部作るということだけでなく、一品だけ持ち寄るということでもよいかもしれません。その辺りは今後も調べていきたいと思います。
2.家事代行について
家事代行をマンション住人同士で行う仕組みについてのニーズについて伺ったところ、サービスは欲しい一方で、住戸内に入らないサービスなら良いと答えた方が35.1%と、家事代行へのニーズは住戸内に入らないものが望ましいという声が多いようです。プライバシーの問題や、依頼する人との信頼関係が構築されていないと不在時に部屋に入ってもらうことには抵抗があるようです。
また、家事代行サービスへのニーズは、20代では50.0%で、そこから年代を重ねる毎にニーズが高まり、60代では75.3%にも及んでいます。年齢を重ねる毎に、身体が思うように動けない場面等が増え、家事代行サービスを使ってのサポートを必要と感じているのでしょう。
全体の41.2%の方が、1回の買い物代行につき300円なら依頼したいと回答しています。さらに年代別で見ていくと、年齢が上がることと比例して1回あたりの金額も上昇しています。身体の自由がききづらくなってくると、お金を払ってでもやってもらいたいという要望が高まっています。
洗濯や家事代行についても平均単価は500円ですが、特に60代になると1,000円ならお願いしたいと答えた方が34.7%と全体の3分の1にも及んでいます。日々の家事は高齢者にとっては負担となっているのでしょう。通常の家事代行は1時間3,000円が相場です。そうした市場の価格との間には大きな開きがあるようです。
3.医療サービスについて
医療サービスのサポートについては、看護師の常駐へのニーズは43.7%であるのに対し、いつでも医療機関へ連絡が取れるサービスへのニーズは75.1%と大きく開きがありました。毎日医療機関を使う人は少ないことから、必要なときに対応してくれるサービスが整っていればそれで十分ということなのでしょう。
1ヶ月10,000円ならサービスを受けたいと回答している方が全体の85.2%ですが、実際に看護師が提供できるサービスがどのようなものであるか、具体的に比較しながら検討する必要がありそうです。
医療サービスのサポートについては、月10,000円が妥当と答えた方が85.2%でした。一般的な医療サービスの平均は月30,000円であることから、この金額は高すぎると感じている方が多くいることが見えてきます。
4.住人同士のつながり、共用部分について
サークル活動を等のボランティアに参加したいと回答した方は全体の70.7%、さらに年代別で見て行くと、40代から60代にかけて、参加したいと回答した方が8割を占めていることが見えてきます。40代になると仕事として参加するよりもコミュニティ活動として参加することに関心が高くなっています。
趣味のサークル、勉強会、ボランティア、マンション内のイベント等、マンション内で行われるイベント等には、約7割の方が参加したいと回答しています。プライバシーは確保しつつも、同じマンションに暮らす住人の方と一緒に何かやりたいという思いは持っているようです。
自分が高齢者になったとき、若い世代と交流をしたいと答えた方が79.9%、そして若い人のためにできることをしたい、同年代の高齢者にできる限りサポートしてあげたいと答えた方は全体の約8割にも上りました。高齢者になったときには、周囲の方と関わりを持ち続けたい人が多いようです。
全体の66%と約3分の2の方が、図書館や音楽室のような趣味の部屋がマンション内にあればよいと回答しています。さらにカフェや食事のできる場所についても先の結果同様、8割の方がほしいと回答しています。部屋での暮らしだけでなく、オープンスペースに趣味やご近所の方とのおしゃべり等で自由に使える場所を求めているようです。
5.マンション内で働くことについて
マンション内で住人へのサービスを仕事として行いたいと答えた方は71.1%であるのに対し、家事代行等のサービスをボランティアとして行いたいと答えた方は68.4%と全体の3分の2以上が回答しています。しかし仕事とボランティアでは関わる動機や理由が異なっているようにも思います。多くの方はボランティアという形をとってもやりたいと思っていることが見えてきます。
マンション内で自分のお店を持ちたいと回答した方は全体の32.3%という高い数字を示しています。また、カフェの運営に関わりたいと回答した方は29.7%同様に全体の約3分の1となっています。
マンション内で仕事をすることの目的として、全体では「やりがい」「コミュニケーション」と回答した方が約半数である一方で、年代別に回答を見て行くと、30代、40代は上記2つの項目に加えて「収入」への回答が非常に高いことが見えてきます。これはQ26の「マンション内で住人に対するサービスについて自分が元気なうちは仕事として参加できるといいと思いますか?」の回答と関連する部分も見えてきます。
マンションの共用部を外部に開きたいという回答が44.9%と約半数である一方、外部の人が入ってくることへの抵抗があると回答した方が74.5%いうことで、外部に開きたいと思う一方、セキュリティへの不安があるのかもしれません。
6.食事、医療、家事代行全般について
コンシェルジュサービスを利用したいと回答した方は71.9%、さらに金額としては1,000円〜3,000円の幅で利用したいと回答した方が82.2%となっています。