#59 カスタマイズマンション(分譲編) 〜もっと自由にパーツを選べるマンションに

以前カスタマイズ賃貸という話で賃貸マンションのしつらえを入居時に選べたり、自由に改装したりできる賃貸物件が生まれつつある話をしました。
今回は分譲マンションの設備や仕様をもっと自由に選べないものかという話をします。お仕着せのものでなく自分の好みや暮らし方に合わせたマンション選びをしたいと多くの人が思っているに違いありません。

 

自由に選べる
マンションを購入しようとした時、現在の仕組みはデベロッパー側が、あらかじめ3種類ぐらいのバリエーションを用意していて、その中から選ぶようになっています。壁や扉の色や素材、風呂やキッチンなどの住宅設備、あらかじめ決められたものから選ぶのですが、世の中には様々な商品があふれているのですから、もっと選択肢がほしいと住まい手は思うでしょう。もちろん供給側では、世の中の傾向や、ニーズを探り多くの方の希望にあう商品開発をしているのですが、考えてみれば平均値では満足は得られにくいものです。
壁の色も白い色のクロスだけでなく、自由に色を選びたい人もいるでしょう。素材もそうです。自分の持っている家具に合わせて素材選びもしたいでしょう。キッチンやお風呂なども自分の好みや使い勝手など人によって様々なはずです。

 

あとから足せる
こう考えると、住宅のパーツだけではないかもしれません。壁や風呂、キッチン、トイレなどの水回りの位置についてももっと自由に決められればとも思います。そうすれば買う時には、部屋も必要な数だけにして広く使う事もできるでしょう。たとえば、購入時は、広い部屋にしておいて、子供が出来たり家族の変化に合わせて必要な時に壁を足すというのができればいいのです。
こうした考え方は今までの暮らし方は随分違ってくるでしょう。後々の変更がないことを前提に買うマンションと、後から付け足せる、または変更する事を前提にするマンションでは意識が大きく変わるかもしれません。始めから完全なものを求めなくてもいいのですから、キッチンなども、カウンターとシンク、コンロだけがあって、収納や戸棚はあとから足していくというような住まい方も生まれます。必要なものをあとから足すことで、ものの持ち方もずっとシンプルになるはずです。
こうしたことを実現させるためには、供給側はもっと工夫が必要になります。そうした仕組みがかえって高くなるようではなかなか選んでもらえなくなります。今までの大量発注によるコストダウンとは違う方法が必要です。また設備配管などにもアイデアが必要になるでしょう。あとから壁を足すためにはコンセントの位置や、照明器具などの設定も考えなければなりません。設備配管なども自由に変更できるように2重の床も必要になるでしょう。その他、作り付けの家具なども、あとから壁を取るようなことを考えると、ないほうがいいのかもしれません。いろいろとハードルはあるのですが、こうした可変性を見据えたマンションが、これからは求められているようにも思えます。

  

カスタマイズを前提とした、マンションについてみなさんはどう思いますか。
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