A016 「終活について」のアンケート報告

実施期間:2014年7月2日〜2014年7月28日
回答者数 576人

 

今回、2014年7月2日から2014年7月28日に実施した「終活〜シュウカツ〜について」には576件の回答が寄せられました。

 

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長寿時代に突入しました。男性80歳、女性86歳。サラリーマンであれば定年後の人生は20年以上あります。今回はこの人生の集大成ともいえる第三の人生をどのように過ごすかについて考えてみたいと思います。
「終活」や「エンディングノート」など最近急にいろいろなメディアで取り上げられるようになってきましたが、その意味をご存知ですか?
「残りの人生をよりよく生きるために元気なうちに考えて準備すること」を言います。若い世代の方もこの機会に想像力を働かせながら、これからの人生について考えてみませんか。

 

 

まとめ
今回のアンケートからは、定年後のライフスタイルについて、旅行や趣味等アクティブに余暇を楽しみたいという方が一定数いる一方で、新たな仕事や今の仕事を続けたいという方も少なからずいることから、どちらかに専念するのではなく、好きな事をやりつつも社会と接点を持ち続けたいというニーズがあることが見えてきました。
また、定年後のお金に関しては、貯蓄は減らしたくない、なるべく年金や保険料で生活をしつつ、旅行等で大きくお金を使うときは貯蓄を活用するという回答が多く上がってきました。期間の不確実性から、お金を持っているということが暮らしの安心材料になっているのでしょう。
また、「終活」「エンディングノート」については、存在を知っている人は全体でも7割から8割に及びかなり多い結果になりました。但し、実際に終活をしていたりエンディングノートを書いているという方はさほど多くない、理由としてはまだ考えるには早い、という回答が多く上がっていました。しかし人生の最期は誰しもやってきます。最期むけた準備や考えておくことを整理するだけでも、安心した定年後の暮らしが送れるのかもしれません。

 

 

 

1.60歳からのライフスタイルについて

質問1.定年後にやりたいことはありますか?

 

 

質問2.その他と回答した方に伺います。やりたいことを教えてください。
・ボランティア活動
・興味のある分野を勉強してみたい
・今の仕事を組織から離れて個人で行う
・仕事と趣味半々で
・自叙伝を作りたい
・新しいことにチャレンジしたい
・政治活動をするかもしれない
・大学に通いたい
・地域としての子育てに貢献したい
・定年後の20年の内半分は社会との関わり
・60歳で孫は今の時代早いのでは?
・QOL維持のための体力筋力保持向上
・あくせく仕事はしないことにする
・お稽古を、お琴をやって見たい
・ゴルフ三昧
・しがらみを捨てて自由になりたい
・リゾートで自給自足
・遺産を、元気なうちに身内縁者に遺贈する
・隠居生活が望みです
・海外に住んでみたい
・既に地域団体へ音響支援する団体結成し活動
・擬似恋愛したい
・犬を飼いたい
・現状打破
・好きな地方都市にロングステイ
・時間があるので、ゆったりした旅行をしたい
・断捨離で身の回りを簡素にしたい
・都市部のマンションに住みたい

 

 グラフ

年代別に集計したところ、どの年代においても「旅行に行きたい」「趣味に没頭したい」「のんびりしたい」という回答が半数近くを占めています。一方で、「新しい仕事をしてみたい」という回答も各年代2〜3割はいることから、仕事を離れて余暇を楽しみたいという気持ちと、社会との接点を持って働きたいという気持ちをどちらも持っているようです。

 

 

質問3.定年後の第三の人生でどのような不安がありますか?あてはまるもの全てにチェックしてください。

質問3.質問3.定年後の第三の人生でどのような不安がありますか?あてはまるもの全てにチェックしてください。(子供の有無別)

子どもの有無で集計をしたところ、子どもがいない人は「家族に迷惑をかけたくない」という不安については割合が低く、対して「介護・福祉サービスが十分に受けられるか」という不安については約半数の方が回答しています。面倒を見てくれる家族がいないことから、老後のケアについての不安要素が多いようです。

 

 

質問4.その他と回答した方に伺います。定年後の第三の人生で不安なことを教えてください。
・いつまで、働けるかが気がかり
・お金が充分にあるかどうか
・安定した暮らしが可能かどうか
・一人になること
・介護に係る費用と手続き等の情報が足りない
・近くに家族がいないと何もできないこと
・金銭的なものは一切妻に任せている
・健康で過ごせるかどうか
・現在の老人は年金を無駄遣いしすぎ!
・妻に先立たれた場合の生活をどうするか
・子供が寄り付かなくなるのでは
・住居の老朽化
・親の介護
・地域がシニアに役割を与えられるか否か
・日本の国力の顕著な弱体化
・年取ってきて病気などにはとても心配

 

 

質問5.定年後の人生をより楽しむために、どんなサービスがあったらいいと思いますか?
<例:見守りサービス、希望を聞いてくれるコンシェルジュサービスetc> 
・お金を増やしてくれる
・コンシェルジュサービス、24時間警備
・ロボットに世話をしてもらう
・安心できる医師との連携サービス
・医療相談
・緊急時の対応
・見守りサービス
・後見お助けサポートサービス・有料
・死んだ後の資産を前金で貰えるサービス
・資産運用に関しての第三者的な相談
・情報提供サービス
・生存確認をしてもらえるサービス
・健康に関する相談ができる所
・法律相談サービス
・お掃除サービス
・安い食事宅配
・温かい食事を配達
・家事の代行と体調管理
・食材配達
・専属の運転手、メイド
・公的支援の充実
・市民活動支援団体への行政サポート
・若い世代との交流の場
・大学や大学院への再入学制度
・地域のコミュニティを深める倶楽部

 

 

質問6.貯蓄は減らさずに暮らしたいですか?

 

 

質問7.定年後も資産は増やしていきたいですか?

 

 

質問8.毎月入ってくる年金や保険料の範囲で質素に暮らしたいですか?

 

 

質問9.日常生活は年金や保険料の範囲で暮らしつつ、海外旅行や移住等、今までできなかったことにお金は使いたいですか?

貯蓄を減らさずに暮らしたいと回答した方は全体の63%でした。さらに、日常生活は年金や保険料の範囲で暮らしながら、海外旅行や移住等、今までできなかったことにお金を使いたいと回答した方が73.9%にも及びました。日々の生活費で貯蓄を減らすことはせず、既に貯蓄されているお金は旅行や移住等、今まで現役で働いていた時にはできなかったことに使うという考えを持つ方が多いようです。

 

 

質問10.後はできるだけ家族に迷惑をかけずに暮らしたいですか?(特にお金の面で)

 

 

 

2.終活について

質問11.あなたは「終活」という言葉を知っていましたか?

 

 

質問12.あなたは「終活」にむけた準備をする予定がありますか?

質問12.あなたは「終活」にむけた準備をする予定がありますか?(年代別)

終活という言葉は8割もの方が知っていると回答しています。さらに、年代別に集計すると、70代以降の方は68.7%と半数を超えた方が終活に向けての準備をし始めているようです。

 

 

 

質問13.Q12ではいと回答した方に伺います。具体的にどのような活動をしていますか。あてはまるものすべてにチェックを入れてください。

質問13.Q12ではいと回答した方に伺います。具体的にどのような活動をしていますか。あてはまるものすべてにチェックを入れてください。(年代別)

質問13.Q12ではいと回答した方に伺います。具体的にどのような活動をしていますか。あてはまるものすべてにチェックを入れてください。(子供の有無別)

 

 

質問14.その他と回答した方に伺います。終活であなたが行ったものを教えてください。
・エンディングノートを書く
・パートナーとの話し合い
・ペットの面倒を頼む
・遺産を、生前贈与する手続き進める
・家族へ詳細を伝えておきたい
・死に場所を求めて旅に出る
・死んだら残った者がやること
・整理整頓取捨選択
・生前贈与
・断捨離
・任意・法定後見人等全般について
・年金が少ないのでね他の収入に関心あり
・不慮の健康障害
・保険の見直し
・墓も戒名もいらない 土葬でいい
・無理のない範囲で子供達に承継させたい

 

 

終活の具体的な内容として、お葬式、相続、遺品整理、所有財産や負債の処理、保険や年金等、手続きに関するものを進めている方が約2割でした。さらに、子どもの有無で集計をしたところ、子どものいる人は「相続」について進めていると回答した方が全体の22.2%と最も多く、一方で子どものいない人の中で一番回答数が多かったのは「遺品整理」で全体の23.6%でした。家族を持つ人は遺産の整理・相続先の検討等、財産の処理をする必要がありますが、家族を持たない人はその必要がないため、身の回りの整理を進めていくということなのかもしれません。 

 

 

質問15.Q12ではいと回答した方に伺います。終活を行っているのはなぜですか?あてはまるものすべてにチェックを入れてください。

質問15.Q12ではいと回答した方に伺います。終活を行っているのはなぜですか?あてはまるものすべてにチェックを入れてください。(年代別)

どの年代においても、終活をする理由として一番多かったのは、家族に金銭面で迷惑をかけたくない、ということでした。特に60代は37.0%、70代以降は59.3%にも及んでいます。健康なうちに自分の事は自分で対応しておきたい、家族に将来負担をかけたくないということなのかもしれません。

 

 

質問16.Q12でいいえと回答した方に伺います。終活を行っていないことには何か理由がありますか?あてはまるものすべてにチェックを入れてください。

 

 

質問17.その他と回答した方に伺います。終活を行っていない理由を具体的に教えてください。
・4年程前、ノートを買ったまま、、、、
・いつ来るかわからないので何もしない
・イメージがわかない(しなくても結果同じ)
・その前にやりたいことがまだあるから
・もうそろそろとは思っているが、まだ意識し
・遺産を国に持って行かれる事は避けたい
・興味がないから
・今の若い人は裕福ではない
・今更、活動すべき事が見いだせない
・死んでからのことまで考える必要はない
・若いし墓も要らないので終活はしない

 

 

 

3.エンディングノートについて

質問18.あなたは「エンディングノート」を知っていますか。

質問18.あなたは「エンディングノート」を知っていますか。(年代別)

 

 

質問19.あなたは「エンディングノート」を書いていますか。

質問19.あなたは「エンディングノート」を書いていますか。(年代別)

 

 

質問20.Q19で「書いてある」「書いている途中である」「書いてみたい」と回答した方に伺います。どんなことを書いていますか?また、書いてみたいと思っていますか?あてはまるものすべてにチェックを入れてください。

質問20.Q19で「書いてある」「書いている途中である」「書いてみたい」と回答した方に伺います。どんなことを書いていますか?また、書いてみたいと思っていますか?あてはまるものすべてにチェックを入れてください。(子供の有無別)
 

 

質問21.その他と回答した方に伺います。エンディングノートにあなたが書いていること、書きたいことを教えてください。
・その時、ペットがいたなら、その行く先を
・遺言は毎年書き変えている
・家族葬で充分
・介護を受ける際の希望
・兄妹で相続争いを避ける準備
・現実に、生前にそれを実行する
・後見人への伝言
・今まで苦労をかけたから
・自伝
・短詩型文学を作句してるんでそれがノート

 

エンディングノートへ書いている項目、あるいは書いてみたい項目について、家族への感謝の言葉と回答した方が37.2%でした。終活では相続等、検討すべき事項が多いことに比べて、エンディングノートは基本的な項目に加え、よりカジュアルに、家族や親族・友人・知人へ感謝の気持ちを伝えるツールとして認識されているのかもしれません。

 

 

 

4.定年後の第三の人生にかかる費用について

 質問22.どういった形で資産を持ちたいとお考えですか?あてはまるもの全てにチェックください。

 

 

質問23.その他と回答した方に伺います。お持ちの資産について教えてください。 
・お金は全方位で用意が必要
・稼げる内は、稼ぎたい
・外国債券
・既存土地の早期売却
・貴金属・レアメタル
・個人年金
・資産の処分、整理
・趣味、嗜好品(資産価値のあるもの)
・小規模共済等
・先行き不透明過ぎて何も考えてないです
・定期的に収入があり続ける仕組み作り
・投信
・年金依存よりも就業賃金での生活が理想

 

 

定年後の資産は現金預金で持ちたいと回答した方が全体の83.9%と圧倒的に多い結果が出ました。不動産投資や株式等に比べ、すぐに使える手元現金を持っておくことが定年後の暮らしにおける安心材料になるということなのかもしれません。