#65 子育てしやすく、長く働ける会社

スマイラボでは子育てや教育、少子化、高齢化などについてアンケートやコラムなど行ってきましたが、建築の工夫やサービスの仕組みだけでは、解決に向かいません。企業が働き方の仕組みを変えて、もっと積極的にこれらの社会課題に取り組む必要があるのではと思っています。

 

たとえば、子供を産んだら、手当を今よりもっとたくさん出すのです。さらに育休を多くし、いつでも会社に戻れるようにしたり、子供の保育も会社で行うようにします。また高齢者については、もっと長く働けるようにして定年をなくしてしまうのです。

 

その代わり、今より給与は安くしていきます。その分休みも多くして働く時間も短くするのです。いわゆるワークシェアリングです。給与が下がっても、休みが多くなれば趣味の時間を増やしたり、他の会社や個人で副業なども行いながら所得を維持する事もできるかもしれませんし、夫婦共働きであれば一人の収入が少なくなっても二人の収入を合わせれば世帯の所得は増えるでしょう。

 

かつて日本の企業の良さは大家族主義とよくいわれていました。発展途上の経済では当然なのかもしれませんが、ひとつの会社に長く勤めることが多くの人の夢でもあり安定と安心は社会に幸福感をつくりだしたはずです。今の時代、能力のある人は、企業を渡り歩いてキャリアをつくっていく人もいますが、多くの人はひとつの会社で長く働く方がずっと居心地がいいはずです。
私たち日本人は昔から「和をもって尊し」といわれるように全体の調和を大事にしてきた国民です。仕事の成果は個人のものでなく全員の成果として考えてきたのです。西洋に引け目を感じて進んできた戦後の日本でしたが、今一度、他の国をリードする日本の強みを発見していくことも必要です。

 

成熟社会にはいった日本は、世界に前例のない社会課題を多く抱えていますが、今企業が、長期的な視野に立ち、子育てや教育、少子化や高齢化など、家族や家庭を取り巻く環境を、より積極的に考えていくのです。社員がお互いに競争をするのでなく、安心して協調していくこと、永い安定をめざしていくのです。

 

企業と働き方の関係、一人一人の給与は低くなるかもしれませんが、そのかわり、安心して働け、さらに時間のゆとりをもつこともできるようになるでしょう。いかがでしょうか。みなさんのご意見をお寄せください。