M21 家族のコミュニケーションを考える

今回は玄関周りを活用し、家族のコミュニケーションについて考えてみたいと思います。現代の暮らしは、家族で一緒に過ごす時間をとる事がどんどん難しくなっています。食事を一緒にする、家族で映画や音楽などを一緒に楽しむなどというのも難しそうです。夫婦であっても働く時間帯も、帰りの時間もばらばら。子供も小さい時は塾があったり、大きくなってからは、アルバイトやクラブ活動など、家族で一緒に過ごす時間をとるのはなかなか難しいようです。しかし、それでも出来るだけコミュニケーションがとれるような、そんな家を考えてみてはどうでしょうか。

 

図面

 

 

上の絵は玄関側にダイニングを配置しています。食事を一緒にする時間が少なくても、みんなが必ず通る家の出入り口側へ食事スペースを持ってくる事で、ここが一番家族のみんなが長くいる場所となり、家族が顔を合わせやすい場所となるように考えてみました。
また点線で囲んだ部分の壁は黒板塗装という特殊塗料で、チョークで文字が書ける塗装を施しています。ここに予定だけでなく、家族へのちょっとしたメッセージや、家族イベントの計画なども書いてみてはどうでしょう。家に戻った時に、また出かける時に、お互いのメッセージを気にかけるのです。携帯やメールなどで家族のコミュニケーションはより簡単になってきた現代ですが、しかし、手書きのメッセージや絵などでのリアルなコミュニケーションは気持ちをなごませてくれるでしょう。

 

また玄関先では家族だけでなく、近隣の人や友達を気軽に招いたりできるような空間になるといいでしょう。プライバシーの確保も大事ですが、必要に応じて玄関扉や廊下側の窓をもっと開放的にして、廊下を歩く人の姿が中から見えたり、外からも少し中の気配が想像ついたり出来る仕掛けがあると面白いかもしれません。ここでは、この土間に緑をふんだんに入れて、窓を解放していても外からダイレクトに中が見えない工夫をしています。

 

いかかがでしょうか、玄関まわりを使ったコミュ二ケーションへの工夫、今回はダイニングを廊下側に置くということと黒板塗装の壁のことについて考えてみましたが、まだまだ色々なアイデアがあるでしょう。皆様のアイデアを是非お寄せください。