A022 「マンションの間取りの自由度について」のアンケート報告

実施期間:2015年2月25日〜2015年3月16日
回答者数 708人

 

今回、2015年2月25日から2015年3月16日に実施した「マンションの間取りの自由度について」には708件の回答が寄せられました。

 

現在のマンションの購入方法は間取りが決まっていてそれを選択するという方法です。排水の位置などの制約から上下階は同じ位置に水回りをつけていますが、もしマンションの購入時に間取りを自由に選べるとしたらということについて伺ってみました。家というのは時代によって家族のニーズは変化していくものです。家は変化するものとしてあらかじめ可変性を前提につくられたマンションがあったらいいと考えています。
アンケートではマンションを購入する時にみなさんがどこまで自由度を望み、また将来の可変性をどこまで期待するのかを伺っています。

 

設問は以下のような内容です。
・ マンションを購入するときに自由だったらよいと思うものは何ですか
・ 家を購入する時に暮らしの中で何を優先して間取りを考えますか
・ どのような時にリフォームをしたいと思いますか
・ ひとつの住宅で何回ぐらいリフォームをすると思いますか。
・ リフォームするとしたら一回あたりどのくらいの費用をかけてもいいですか
・ 子供部屋について、子供が生まれてから間取りを考えますか、生まれる前から部屋を考えますか
・ 子供が成人し家を出た後、夫婦二人の暮らし(または一人暮らし)になった時も同じ間取りで暮らしたいと思いますか

 

大きな気付きとして、自由度については、素材や設備機器だけでなく、個室の広さや位置といった事を優先する人が58.4%もいました。また、自由回答もいつもに比べ大変多く、関心の高さが伺えます。
リフォームのタイミングは、住宅設備が古くなったときや、子供が生まれたとき、成長したときなど、家族構成が変わるタイミングでのリフォームを考える人が多く、さらにその回数も二度と回答した方は34.7%に及びました。
また個室や子供部屋については議論の分かれるところでした。現在の子供の有無、年齢、家の所有形態等により、考え方は大きく違うようですが、子供が生まれてから考えるという方が43.9%と約半数もいて、標準の間取りを必ずしも希望していない人もいることが伺えます。この設問では自由回答も285件と過去のアンケートでももっとも多いご意見をいただきました。
さらに、「間取りを考えるときに優先すること」についての設問では、くつろぎの空間と収納スペースの2つが上位を占めました。「くつろぐ」とは大事なキーワードになりそうですが、漠然としているため、この点はもう少し考えてみる必要がありそうです。この辺りは、次のアンケートで考えていきたいと思います。

 

回答者プロフィール

 

 

質問1.マンションを購入するときに自由だったらよいと思うものを3つまで教えてください。(複数回答)

 

 

質問2. 質問1で「その他」と回答した方に伺います。購入するときに自由だったらよいものを教えてください。(回答数:53件)
・ お風呂場の大きさ
・ キッチンの間取り
・ コンセントの位置とインターフォンの場所
・ トイレ
・ ペットスペース:糞尿の処理が簡単で清潔
・ ベランダの大きさ
・ 各個室の収納を廃し大きな収納室を作れる
・ 間取り
・ 和室から洋室/洋室から和室
・ 建具のサッシ
・ 玄関の広さ
・ 水回りの配置
・ 壁の色 など

 

インテリアの素材や住宅設備ではなく、間取りそのものへの関心が高い事が特徴でした。(個室の広さや位置を優先する。58.4%)
また、自由回答では「トイレ」「水回り」「和室から洋室、洋室から和室」などのコメントが多く上がりました。ひとつづつ具体的な検討が必要そうです。

 

 

質問3. 家を購入する時に暮らしの中で何を優先して間取りを考えますか。以下の中から3つお選びください。(複数回答)

質問3. 家を購入する時に暮らしの中で何を優先して間取りを考えますか。以下の中から3つお選びください。(複数回答)

 

 

質問4. 質問3で「その他」と回答した方に伺います。暮らしの中で優先させたい事を教えてください。(回答数:27件)
・ その時のライフスタイル全体
・ トイレ
・ バルコニーの広さ。方角。
・ 個々のプライベートな空間
・ 仕事場としての環境
・ 人が集まりやすい、居心地よい空間
・ 水回りデザイン・機能、空調のデザイン
・ 生活で使用するものは全て収納できる。
・ 眺望
・ 動線、水周り
・ 日当たり
・ 風呂場
・ 周辺の環境 など

 

暮らしの中で「くつろぐ空間」を優先したいと回答した方が全体の60.6%、また「家族団らんを楽しむ」ことを優先したい方は全体の28.8%と多くあがっています。しかし「くつろぐ空間」や「家族団らん」にといっても人それぞれです。それがどのような空間なのかは今後のテーマとしてさらなるアンケートを実施していきたいと思います。また、男女比で見てみると、男性の方が「家族団らんを楽しむ空間」と答えている割合が多いことが特徴的です。一方女性の方が収納スペースの広さや場所に着目しています。
他には、男性は「食べる事」「寝る事」を優先していますが、女性は「料理をする空間」「家事効率」を優先しています。
自由回答では、質問2と同様、トイレや水回りを優先するとの回答が多くありました。

 

 

質問5. どのような時にリフォームをしたいと思いますか。(複数回答)

質問5. どのような時にリフォームをしたいと思いますか。(複数回答)

住宅設備が古くなったらリフォームを考えると回答した方が77.2%と高い数字でした。古くなったと感じるのはどの程度なのか、その点はもう少し知りたいところです。さらに身体が不自由になった時にリフォームを考える方も多く、バリアフリー仕様の手すりや水回りの改善等が必要になるのでしょう。

 

 

質問6. ひとつの住宅で何回ぐらいリフォームをすると思いますか。

質問6. ひとつの住宅で何回ぐらいリフォームをすると思いますか。

リフォームをする場合、1回と回答した方が約半数、2回と回答した方が34.7%です。年代別にみても、年齢が上がるに伴ってリフォームの回数が増えているようです。

 

 

質問7. リフォームするとしたら一回あたりどのくらいの費用をかけてもいいですか

質問7. リフォームするとしたら一回あたりどのくらいの費用をかけてもいいですか

リフォームにかける金額は、全体では300万円と回答した方が30.2%と最も多く、年代別に見ると、年齢が上がるにつれて予算が大きくなっています。

 

 

質問8. 子供部屋について伺います。

質問8. 子供部屋について伺います。

質問8. 子供部屋について伺います。

 

 

質問9. その理由をお聞かせください。(回答数:285件)
「A.子供が生まれる前から、子供部屋をあらかじめ用意しておく(用意していた)」の回答者
・ 必要になった時すぐに使えるようにする為。
・ 住み替えは面倒だから
・ 初めにすべてを形作っていたほうが安くつく。
・ 事前に準備しておく事で余計な出費や手間、時間をかけないですむ
・ 必要になってからでは遅いと感じているから
・ 産まれてからでは何かとバタバタしてじっくり考える時間がないと思った為
・ 子供が自主性を持ちそれなりの生活スタイルを作って欲しい故。

 

「 B.子供が生まれてから、子供部屋をどうするか考える(考えた)」の回答者

・ 子供がうまれるかはわからないから
・ 生まれるまでどんな空間が必要か想像つかなかったため
・ こども部屋の使い方を見極めてからリフォームなど手当てするため。
・ 子供が生まれる前はいろいろ大変だから考えている余裕がなかった
・ あまり子供部屋の構築を重要視していません。
・ 最初から必要がない。兄弟が出来て、性別でも部屋割りが変わる
・ その時その時で必要に応じて対応すればよいと考えてます
・ 子供が生まれたら広いファミリータイプの物件に引っ越せばよいため。

 

「C.その他」の回答者
・ 子供がいないので
・ 個室を必要とする年齢になったら用意する。

 

子供部屋についての質問には、285件もの自由回答が集まり、多くの方が関心を持っています。質問.8では、子供が生まれる前から部屋を用意する方と、生まれてから部屋を用意する方の回答がほぼ同数に分かれました。
あらかじめ子供部屋を用意すると回答した方の意見として、「住み替えの面倒さ、リフォームの手当、あらかじめ用意しておけばいざというときにばたつかない」等の意見があがりました。一方、子供が生まれてから子供部屋を用意すると回答した方の意見は、「子供の成長や性別に合わせて部屋を作りたい、生まれたらそれにあわせて部屋を引っ越す」等の意見が見られました。

 

 

質問10.子供が成人し家を出た後、夫婦二人の暮らし(または一人暮らし)になった時も同じ間取りで暮らしたいと思いますか?

質問10.子供が成人し家を出た後、夫婦二人の暮らし(または一人暮らし)になった時も同じ間取りで暮らしたいと思いますか?

 

 

 

質問11.その理由をお聞かせください。(回答数:378件)

「A. はい」の回答者
・ 子供が里帰りする場所を残しておきたいから。
・ 子供部屋を夫婦の個室にする。
・ 資金がかかるから
・ 住み慣れた間取りで暮らし続けるのがよいと思うから。
・ 今の間取りを気に入っているから。

 

「B. いいえ」の回答者
・ 部屋の数を減らして広く使いたい
・ 老後の趣味などで快適に過ごすにはリフォームが必要。
・ 自分たちを主体にし、最も暮らしやすい状態にしたい
・ 年令に似合うインテリアや動線に便利な配置
・ どちらかが介護が必要になったとしても部屋数より広さ。
・ メンテナンスが楽な方が良い
・ 趣味の空間を作りたい。
・ 介護人、同居人と末永く暮らせるプライベートな空間

 

「C. その他」の回答者
・ どの程度のリフォームが可能か、今は解らない。
・ ライフスタイルに合わなくなったらリフォームか住み替えを考える
・ 子供がいないから

 

子供が成人した後に、同じ間取りで暮らす人は32.7%、反対に何かを変えたいと思う人は57.9%でした。同じ間取りで暮らしたいと回答した方は「子供の里帰りする場所を残しておきたい、住み慣れた場所で暮らしたい」などの声が目立ちました。一方で、間取りを変えたいと回答した方の意見は「暮らしやすい工夫をしたい、部屋を広げて使いたい、趣味の部屋を作りたい、介護のためにも広さが必要」という理由があがりました。

 

 

質問12.その他、マンションの自由度や可変性について、ご意見があればお聞かせください。(回答数:264件)
・ エアコンの位置や向きに自由度があったり、壁収納やカウンター下収納のオプションがあると良い。
・ お風呂、トイレ、キッチンなどある程度選択肢があれば良いと思います。
・ キッチンが特に自由度があると楽しめると思う。対面は今ほとんどですが、アイランドにできるや、カウンターの幅、食器棚、棚を色々選べるとうれしい。部屋の間取りも変更可能だといい。
・ パーテーションによる部屋の分割は防音性の観点からあまり好ましくなく初めから間仕切りをはっきりとさせたい。しかし時間が経つと好みが変わりそうなのでリフォームまではいかないにしろ模様替えはしたいと思う。
・ バルコニーや玄関前の大きさも選びたい。
・ フロアで売って中は自由がいい。大手が販売で中はテイストの違う数社から選んで注文する感じ。
・ フローリングの色や壁の色等、色彩にこだわりがあるので、自由に組み合わせができると素敵だと思います。
・ ペアガラス、二重壁、その他の断熱構造、IT技術などの進歩に対応したリフォームの可能性を広げてほしい。
・ ペットと暮らせる間取り床、できればアメリカンスタイルのマンション防音、強化壁等と床面の完全防水。
・ まず二重床、二重天井は必須だと思います。水回りの場所が後々に変えられれば自由度が高くなると思いますのでそういった物件を増やしていって欲しいと思います。販売時に購入後のリフォームをする場合の制限等の説明もされていると解りやすいと思います。
・ まとまった収納(納戸)の設定の有無をコントロールしたい。(=納戸が必須と考えているが設定がない住居があるので。)
・ ライフスタイルの変化に合わせて部屋数を変えられるといいと思う。
・ リビングだけでも天井を高くしたり、天井材も各部屋ことに変えて考えたい。
・ 家族の人数によってある程度柔軟に対応できるような構造だと望ましいと思う。
・ 購入前にどの部分が変更出来るか?事前に提示されていると自分達の将来像と一致するかも含めて、考えられますね。
・ 自由度が高い事はいい事だが、価格が必要以上に高騰するのは避けたい。
・ 身体の変化により、手すり設置や廊下幅(車椅子)をリフォームする可能性はあります。
・ 水回り器具について選択肢があればよい例えば水道の蛇口などを自分の好みで選びたい。