#79 コンパクトに暮らす 01 —都心の便利な小さな部屋

今回は賃貸マンション、しかも小さな部屋について考えてみようと思います。イメージするのは都心の便利な場所。一人暮らしです。移動にも打ち合わせにも便利な都心の一等地で、共有部分には様々なサービスがあり、住む部屋は小さくても快適。そんなマンションをイメージしています。
下の絵をごらんください。

 

間取り

 

幅3メートル、奥行き5.5メートル、16.5㎡の部屋です。片側に奥行き90センチの空間があり、そこにキッチンやシャワーも組み込まれています。それ以外は何もない部屋で、ベッドは引き出して使います。こういう部屋ならば、昼間は仕事部屋としても使えますし、友達がくれば一緒に食事もでき、夜はホテルのように快適な寝室になります。必要な機能を必要な時に取り出して使います。たしかにたくさんの物をもって暮らすには十分ではありませんが、それなりに収納も備えています。
少し変わっているのが玄関側の壁です。ガラス張りで、昼間は光も通し、夜になるとスイッチ一つで光も遮断します。玄関側を壁で完全に閉じてしまうのでなく、昼間に仕事をしているときは光を通して開放的にすることができます。このような部屋で外の気配を感じながら過ごすのも悪くありません。通りがかりにあいさつをしたり、立ち寄ってお茶を飲んでいったりするような、近隣や友人との関係もつくれるかもしれません。

 

小さな部屋で暮らしをするためには共有部分の活用が重要です。共有空間には共同で使える大きなキッチンや、ランドリー、ロッカーもあると便利です。また、大型テレビやマッサージチェア、大浴場などがあると快適に過ごせそうです。都心の便利な場所に住むと、面積あたりの賃料は高くなりますが、小さな部屋にすれば賃料を抑えることができるでしょう。今回は一人暮らしを想定してプランをつくりましたが、夫婦でひとつずつ隣の部屋を借りるとか、親子でひとつずつ借りるという場合もあるかもしれません。
暮らしと仕事を両立させることや、仕事をしながらも両親のケアをするなど、現代の家族の形に合わせた暮らし方を考えるとき、小さな部屋に住むということは選択肢のひとつになるかもしれません。

 

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