#81 コンパクトに暮らす 03 〜若い人と高齢の人が一緒に暮らすこと

今回は“コンパクトに暮らす”、3回目です。
1回目は、専有部分のアイデアについて伺いました。2回目はコンパクトに暮らすための共用部分の使い方として、シェアハウスとホテルのようなサービス付きアパートメントの違いについて話をしました。
今回は高齢の人と若い人が一緒に暮らす住まい方、そしてそこでつくられるコミュニティ内でできるビジネスについて考えてみたいと思います。高齢者がお互いに助け合って住むような住宅を“コレクティブハウス“=相互扶助住宅といいます。コレクティブハウスについてはこのコラムでも以前書いたことがありますが(※1)、北欧を中心に生まれた住まい方で、高齢者の一人暮らしの人たちや、夫婦でも何かしらのサポートの必要な人たちが共同で住み、充実した共用部分を住人でシェアする暮らし方です。特に特徴的なことは“コモンミール”と呼ばれる共同のキッチンを持ち、交代で食事をつくり、みんなで一緒に食事をすることです。

※1:コレクティブハウスについて(スマイラボコラム)
/sumai-lab/2014/02/3962/

 

 

今回の提案は、高齢者だけでなく若い人も一緒のマンションに暮らし、高齢の人が何かしらのサービスに対し、費用をもらって行うという提案です。以前のアンケートでも「働けるうちは年齢に関係なく働きたい」73.6% (※2) や「マンション内にビジネスの仕組みがあったら参加したい」71.1%などの声もありました。 (※3)
元気なうちはマンション内の住人のための仕事をして、サポートが必要になったら、今度はサービスを受ける側にまわるのです。

 

※2:「働き方と残業について」のアンケート Q3
 /sumai-lab/2013/12/3582/
※3:「高齢化社会に向けたマンションサービスについて」のアンケート Q26より引用
 /sumai-lab/2014/06/4303/

 

ゆったりとした快適な共同のキッチンやダイニングをつくり、料理の好きな人がみんなの食事をしたり、マンション内の住人の掃除や洗濯のサービスを請け負ったりするのもいいでしょう。

 

高齢者と若い人が一緒に暮らす、コンパクトな間取りのマンション。その中で、住人同士をサポートするビジネスがあるということ。高齢者になっても少しのお金でも稼げる仕組みがあることなど、コンパクトな住まい=一人暮らしであるということは、一人だからこそ必要となってくるサービスがあるように思います。そしてそこで起きる住人同士の助け合いが、コミュニティ内のつながりを強めて周りの人への関心が強まるようにも思います。

 

いかがでしょうか。みなさんのご意見をお寄せください。