こうしてみては? 〜間取りの提案〜

RS003 キッチンとリビングの関係を考える 〜明るいキッチンとサニタリールーム、和室コーナーの活用

今回は海外赴任から帰国予定のご家族です。帰国に合わせて購入した築10年の中古マンションは決して古くはないのですが、間取りの刷新をしたいというご要望でした。バルコニー側に明るい書斎があるのが特徴です。また玄関を入ると南北両側にバルコニーが設けられたとても良いプランです。このような間取りの場合、玄関が暗くなりがちですが、今回はその解決案も提案しています。また広いリビングをどのように活かすか、キッチンとリビングの関係、既存の和室をどのように変更するかなどについても考えてみました。

 

現況:専有面積95.77㎡、バルコニー面積14.87㎡、3LDK+ハーブテラス+納戸、築10年。30代ご夫婦と小学3年生の男の子の3人家族で、両親も時々泊まりに来る。妻は専業主婦。

 

お客様のご要望:
・間取りが古く感じるので刷新したい
・キッチンを明るくしたい
・リビング、ダイニング、和室のバランスを見直したい
・両親が泊まりにくることも想定したい

 

 

間取り図

 

 

三菱地所のリフォーム 設計担当 赤坂 和則(あかさか かずのり)三菱地所のリフォーム 設計担当
赤坂 和則(あかさか かずのり)

プロフィール
三菱地所ホーム株式会社 マンションリフォーム事業部 
マンションリフォームでは工事担当の経験もあり、現在商品開発にも取り組んでいます。
皆様の住まいを更に長持ちさせ、今以上に快適にお過ごしいただけるリフォームをいつも考えています。

 

 

三菱地所のリフォーム 設計担当 山本 敦子(やまもと あつこ)

三菱地所のリフォーム 設計担当
山本 敦子(やまもと あつこ)

プロフィール
三菱地所ホーム株式会社 マンションリフォーム事業部 一級建築士。
女性ならではの視点を活かして、お客様のリフォームをお手伝いいたします。

 

 

 

 

三菱地所のリフォーム設計チームからの4つの提案

提案1 家族に明るいくつろぎを
キッチンの暗さが気になるということで周囲の壁を取り払い、家族で集まりながらもくつろげるようなダイニングキッチンにしました。キッチンにダイニングを隣接させることで、配膳や後片付けの動線もスムーズになります。キッチン正面にリビングとTVがあるため以前のように閉鎖的な作業空間ではなく、家族の雰囲気を感じながら楽しく料理ができます。
また、和室の床レベルを400mm上げることで、空間にメリハリをつけると同時に、床下に収納を設けて収納力をアップさせました。
さらに、既存の玄関の壁を取り払い壁一面に本や小物を収納。土間には折りたたみテーブルとスツールを置いて、多目的なライブラリーとして活用できるようにしました。

 

間取り図

 

パース図

 

 

提案2 壁で仕切られた空間からオープンな繋がりのある空間へ
家族があつまる場所は仕切りを無くし、家族のつながりをゆるやかに形成させる空間にしています。元々はハーブテラスだったスペースはサンルームに。晴れた日は洗濯物を干したり、くつろいだりできる場所としました。また、キッチンとの仕切りを開放することでキッチンにも自然光を取り入れることができ、明るいスペースで調理を楽しめるようになっています。キッチンは思い切って玄関からSIC(シューズインクローゼット)をはさんで土間続きに。リビングとの段差(段差150mm)を利用してキッチン(カウンター高さ850mm)とダイニングテーブル(天板高さ700mm)の高さを同じにして空間の連続性を高めています。
和室やサンルームは引き戸にしてリビングの一部としても、またご両親が泊まりに来た時には寝室としても使うことができます。

 

間取り図

 

提案3
家族が最も多くの時間を過ごす、この家で最も居心地の良い空間として、南側を小上がりのある和室にし、食事や団欒に利用できる場所にしました。ご両親や友人が来た時にも泊まってもらえる空間です。襖で間仕切りしてあり、襖が開いている時はキッチンまで光が通ります。押入れと床下収納をつくり、収納不足も解決しました。
キッチンには食事をつくる作業台と食事を楽しむためのテーブルを兼ねたビッグテーブルを配して、使い勝手と対話の両方を備えることと考えました。テーブルの三角形状は家族の輪が繋がるように家のシンボルとしても考えてみました。
趣味室はリビング空間と一体でありながらも、カーテンで簡単に開いたり閉じたりして区切ることができます。趣味での活用を考慮して小さな洗面台を用意し、ちょっとした作業の時の手洗いができるようにしています。

 

間取り図

 

 

提案4
寝室の壁、和室の壁、書斎の壁など水周り以外のすべての壁を取り払い、大きな一室空間にしてみました。家族がどこにいても気配を感じ、家の広さを楽しみながらも様々なコーナーにそれぞれが居心地の良い空間を発見できるように考えました。キッチンはあえて既存の向きである壁側に向いた配置を残し、家族のみんなが料理に参加できるように、また友人など尋ねてきた人も料理や片付けに加われるようにしました。キッチンの背後には配膳台を兼ねた料理の準備スペースをつくり、ダイニングテーブルに連続させた大きな作業台をつくりました。ベランダ側にあるサンルームは明るい家事コーナーにしています。奥様だけでなく、ご主人やお子さんの勉強スペースとしても活用できるでしょう。もちろん大きなダイニングテーブルも食事以外の時間はワークスペースとしても活用できるでしょう。大きなリビングには、ごろごろできるようなベンチ式のコーナーを設けたり、ラウンジチェアに一人でゆっくりとくつろげるようなコーナーをつくりました。こうしたコーナーをつくることでメインのリビングソファ周りはいつも綺麗に整った空間として保ちやすくもなるでしょう。お風呂の位置は同じですが、洗面脱衣室の位置を少し変えてみました。収納が少なめですが、あまり多くのものを持たない、見える収納を提案してみました。
ご両親が泊まりにくるとのことでしたが、頻度がそう高くなければリビングのコーナーに設けたベンチをソファベッドなどにしてご夫婦がそちらを使用し、ご両親はメインベッドルームを使うというのはどうでしょうか。

 

間取り図

 

 

※これらのプランは、建物の状況や管理規約等により実施できない場合があります。

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