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#91 バルコニーをもっと使うために 〜グループインタビューを通して
先日バルコニーを活用している人のインタビューを数回に分けて行ってみました。思い切った活用をしている人は意外に少なく、興味はあるものの、またはしつらえはしたものの、実際にいつも活用している人は少ないです。海外の写真を参考にするとバルコニーで楽しく過ごしている風景をよく目にします。デッキの上にラグを敷いたり、クッションを置いたり、長い時間過ごすことを目的にしつらえをしています。しかし、日本ではバルコニーで長く過ごす人は少ないようです。アンケートでは、多くの人がバルコニーをもっと使いたいと思いながらも使えていないという声が見受けられました。なぜ使えないのか、その理由の一つとして「見られたくない、聞かれたくない」などのプライバシーに関しての意見が随分ありました。
(コラムリンク:/sumai-lab/2016/08/7545/)
ところが、実際にインタビューをしてみるとプライバシーの問題だけではなさそうでした。
その要因には、日本人の外部空間に対する文化的な背景が大きく作用しているように思えました。日本の庭は「過ごす場所」ではなく「眺めるもの」です。縁側で過ごすこともあったのでしょうが、これは外部というより、屋根があって内部の延長です。その縁側と、バルコニーでは少し意味が違うかもしれません。
またもうひとつ大きな要因が「雨」です。日本は1年の3分の1が雨です。そして湿気も多く、木製の家具などは痛みやすく汚れやすいのかもしれません。そのため、外に長い時間過ごすというしつらえをそのままにしておけないということです。
さらにもうひとつ重要なことは、日本は靴をぬいで暮らします。バルコニーには靴をはいてでるという行為がともない、そこで感覚的には室内の延長である縁側のようにはならないのです。
そこで次のような間取りを考えてみました。
一つ目は皆さんすでにしている方もいるかもしれませんが、ベランダにデッキを張って部屋の中の床の高さと揃え、靴を履かずにいけるようにしてみました。床の掃除は必須になるでしょうが、かつての日本の暮らしのように、縁側を毎日掃除していたようにこのデッキも掃除してみてはどうでしょうか。
二つ目は「インナーバルコニー」と呼んでいる広縁のような空間を室内とバルコニーの間につくります。障子や建具で空間を仕切ります。こうすれば家の中につくった半外部空間がつくれます。バルコニーは思い切って庭のように眺めるためのしつらえをするのです。部屋の中なので雨が降っても気になりません。
三つ目はソファの配置を庭を眺めるようにしてみました。ただ家具の配置を変えるだけですが、こうすることで積極的に外を眺めるという行為が生まれます。前のプランと同様にバルコニーを庭のようにしつらえています。
これらの考え方では、プライバシーの問題も同時に解決しています。外部のような内部空間をつくるという考え方、日本人の慣れ親しんだ暮らし方にかなっているような気がします。
いかがでしょうか、みなさんのご意見をお寄せください。