#116 DIY、農業、アトリエ…。二拠点生活を試してみよう

コロナ禍で変わってきた、住む場所への考え方
長く続くコロナ禍で、自宅やカフェなどオフィス以外の場所で仕事をする人が増えているようです。旅先に長期間滞在し、リモートで仕事をしながらその土地の食や気候、文化を楽しむ「ワーケーション」(ワーク+バケーション)という概念も登場しました。
都心部のオフィスへ通勤するという制約が薄れてきた今、郊外や地方への移住を考えはじめた方も多いのではないでしょうか? 自然豊かでのんびりとした空気が流れる田舎で、趣味を満喫しながら、以前と変わらぬ仕事を続けて収入を得る。そんな暮らしができたら、ストレスとは無縁でいられそうですね。

 

郊外にもうひとつの拠点を持つ
とはいえ、現在都市部に住んでいる人にとって、移住を決断するのは勇気がいることでしょう。子どもの教育や地域コミュニティなどの生活基盤に関しても、心配かもしれません。そこで、まずは「お試し暮らし」をしてみるのはどうでしょうか。都市部の自宅は残したまま、どこか別の地域に2つ目の拠点を借りて週末を過ごしてみるのです。昨今では、田舎の廃校を活用した移住の促進や町おこしの事業も増えています。家庭科室の大きなキッチンで食事を作って、近隣の温泉につかりに行き、夜は教室にテントをはって眠れば、大きな開放感を得られそうです。教室をまるごと改装して好みの部屋を作ったり、校庭に小屋を建てて寝泊まりするのも楽しそう。アート、DIY、料理などクリエイティブな趣味をもつ人にとって、この拠点はアトリエとして大いに役立つでしょう。

 

地域の人々と、趣味を通してつながっていく
廃校=かつての学校は、もともと地域住民の中心だった場所。ここに交流の場があれば、移住者や地域の人たちとのつながりも自然に作れそうです。さまざまなバックグラウンドの人々が集い、農業やBBQ、楽器演奏や日曜大工などの趣味を楽しむ。そんな活動の中で、自然とコミュニティも醸成されていくでしょう。地域の人と利用者をつなぐ管理人のような人がいれば、より理想的ですね。
田舎は交通手段が少なく、クルマがないと不便な場所も多いですが、こういった場が出来、訪れる人や移住者が増えていけばコミュニティバスの運行も考えられます。地域に顔見知りが多くなることで、駅や買い物に行く際に地元の人のクルマに同乗させてもらえるかもしれません。そこに行けば必ず友人や知り合いに会えて、一緒にもの作りをしたり、おしゃべりしたり…。都市部に住む人にとって、田舎暮らしは新しいふるさと作りになっていきそうです。

 

「アート思考」から、Do Artへ!
画家や作家などクリエイティブな職業の人は、田園地帯にアトリエを構えたり海外に長期滞在したりすることで刺激を受け、創作活動の糧とする例も多く見られます。住み慣れた場所を離れ、新たな土地の空気を吸って景色を眺める。実際に手を動かして自然に触れ、ものを作ってみる。それは都市部に住み、頭脳労働をしている多くの人たちにとっても大きな刺激になることでしょう。ビジネスにおいても「アート思考」が注目されていますが、頭で考えるだけでなく手を使ってみることで生まれる“気づき”もあることでしょう。みなさんは、田舎暮らしやもの作りに興味はありますか?
移住への第一歩としての「お試し暮らし」。気軽に始める機運が高まっているようです。
ぜひ、ご意見をお聞かせください。