プロジェクトリポート『ザ・パークハウス 上野』同潤会 上野下アパート 建替えプロジェクト:物件紹介
2015年07月22日
建築史に刻まれる集合住宅がついに生まれ変わる。
『同潤会 上野下アパート』の建替えプロジェクトは、最後の同潤会アパートが姿を消すということで、さまざまなメディアが取り上げた。生まれ変わる「ザ・パークハウス 上野」では、ふたつのコンセプトが注目を浴びそうだ。
ひとつは、84年にわたって愛されてきた意匠のエッセンスが、新たな設計デザインに取り入れられたこと。建物の外観や集会室のデザインも象徴的だ。広場に残される井戸の汲み上げポンプは、仮住まい先から戻る人にとっても新たに住むことになる人にとっても、歴史を感じ取れるオブジェとなるだろう。
もうひとつは防災。制震構造の導入はもちろんのこと、停電時にもエレベーター(2基中1基)や防災系統ポンプを動かせる自家発電装置を採用するなど、安全と安心にこだわっている。さらに、道路側に面した1階集会室のテラス部分は、住民の意思で災害時に開放できるように設計。炊き出し用のかまどベンチともども、関東大震災後に設立された同潤会の精神を受け継いでいる。
毎年5月には、テラスや集会室で楽しげな声が響きわたることになるかもしれない。下町で一番早い夏祭りとして知られる、下谷神社の例大祭が行われるからだ。下町の地域コミュニティを支える集合住宅として、新たに永い歴史が刻まれようとしている。
ザ・パークハウス 上野(販売済)
DATA●所在地/東京都台東区東上野5丁目4番3号 ●敷地面積/1,147.82㎡ ●構造・規模/鉄筋コンクリート造・地上14階地下1階建 ●総戸数/128戸(事業協力者住戸52戸含む)※ほかに管理室、集会室、店舗4戸 ●売主/三菱地所レジデンス(株) ●設計監理/山下昌彦+UG都市建築 ●施工/東亜建設工業(株) ●竣工/平成27年8月下旬(予定) ●引渡し/平成27年10月下旬(予定)
-
テラスと隣接する集会室のイメージ。
-
レトロモダンな意匠が魅力のエントランスのイメージ。
-
神社仏閣の年中行事や新旧の名所など、地域で盛り上がれる機会も多そうだ。