“自分をもてなす時間“を生む「カフェスタイル」の部屋

“自分をもてなす時間“を生む「カフェスタイル」の部屋

[暮らしのアイデア]

2017年10月30日

ここ最近のコーヒーブームもあり、街中に素敵なカフェが増えています。でも、コーヒーの美味しさだけでなく、ゆったりと落ち着ける空間や、居心地の良さに惹かれて赴く方も多いのではないでしょうか。カフェには住まいを心地よく演出するヒントがありそうです。
カフェで過ごすようなリラックス時間を、自分の家で過ごせたら……。そんな自分らしいカフェスタイル空間を実現されている、インテリア&ライフスタイルエディター・鞍田恵子さんに、住まいの魅力と、カフェスタイルを形作るコツをうかがいました。

自宅でも取り入れやすい、センスのよいカフェスタイルとは

フランスの街並みに佇むようなオープンカフェや、アメリカから上陸したシアトル系カフェ、純喫茶への回帰、NY発のブルックリン系カフェ、現在のサードウェーブコーヒーなど、日本の“カフェブーム”遍歴はとどまるところを知りませんね。時代やブームによってさまざまな“カフェスタイル”があるのだと思います。
私が最近感じるのは、“ライフスタイル寄り”のカフェが増えているということ。コーヒーなどの提供だけではなく、生活雑貨、食材が売られていたり、書店が併設されていたりなど、“暮らしの楽しみ方”を提案するカフェが増えています。そのようなカフェの空間は、今までに流行したデコラティブなスタイルや無機質でハンサムなスタイルとは少し違い、ちょっとした“生活感”が入っているように思います。
例えば、テーブルやチェア、床などに、ダークブラウンの木材が取り入れられていて、スチールやカゴなどの異素材が上手になじんでいる空間。シンプルながらもあたたかみのあるテイストで、お花やグリーンといったナチュラルなものも配されている。音楽が流れ、風を感じるような心地よさがある・・・ “おしゃれなだけではなく、生活に必要な落ち着きや、心地よさも共存している”というような感じでしょうか。

また、私が「ここは素敵だな」と思うカフェに共通しているのは、壁の使い方のセンスがよいということ。たとえばスタイリッシュなタイポグラフィを施した黒板を壁に立てかけたり、額をセンスよく並べて飾ったり。住まいでも似たようなテイストが取り入れられてきているように思います。

壁面をうまく活かしたインテリアの一例。ダークカラーの床はモダンなアイアン素材とも相性がよく、冷たさを感じさせない(EYE’S PLUS COLOR 2017 より)

これまでさまざまなお宅を取材してきましたが、やはり壁の使い方が上手な住まいの“かっこよさ”は格別です。海外では割と見られるのですが、日本では、部屋作りをするときに「どんな家具を選ぶか」ということばかりに気を使いがちで、「この壁をどう活かすか」と考える人は少ないかもしれません。でも、少し意識してみるといろんな楽しみ方が見つかると思います。

“カフェスペース”は、自分と向き合う時間を過ごす大切な場所

「壁は意識して飾る」という鞍田さん。リビングの壁のチョークアートは、部屋の雰囲気を決める重要なアクセントとなっている。

私の家も、余計なものは置かず、居心地のよい空間を大切にしていることを考えれば“カフェスタイル”と言えるかもしれません。古いマンションなのですが、レトロな雰囲気と、シェアハウスのようなマンションの住民同士の仲の良さがお気に入りです。床の色もこの部屋を選んだ決め手になりました。ダークカラーの床は、ナチュラルテイストの家具にも、アイアンなどの異素材が使用された家具にも合わせやすいので、ほどよい落ち着きとスタイリッシュ感を両立してくれます。

また、いままで見てきた素敵なお宅のように、壁は意識して飾るようにしています。リビングの壁には、知り合いのアーティストにチョークアートを描いてもらい、たまに描き変えてもらっています。左側の絵は、友人・家族が遊びに来たときに、コーヒーでも飲みながら「ボケ~っと」してほしいという気持ちを込めて「BOKKET」という言葉を入れてもらいました(笑)。

同じくリビングの“カフェスペース”の壁には、造形作家さんが手がけた照明にもなるオブジェと、好きな小物をトレイに並べて飾っています。ポストカードに描かれた猫には、「meow」という鳴き声の吹き出しも。これはチョークアートと同じアーティストさんに、鉛筆で描いてもらいました。

私は普段、仕事を自宅ですることが多いのですが、リビングと仕事部屋はメリハリをつけて区切り、リビングに仕事を持ち込むこともありません。仕事の息抜きに、この“カフェスペース”でコーヒーを飲みます。あとは、ライフワークの刺繍もここで。刺繍は何時間でも針を持っていたいぐらい好きで、一番リラックスできる時間なんです。

仕事でハンドメイド作家を取材することが多く、自身ももの作りが好きだという鞍田さん。「刺繍したい」と思ったときにすぐに取りかかれるよう、テーブルの上は常にきれいにしているという。

最近は、列車のヘッドマークをモチーフにしたタペストリー作りに夢中。作品はInstagramなどで紹介しており、フォロワーからの人気を集める。

私にとって、瞑想のように自分と向き合えるのが刺繍をしている時間。集中したあとは頭がすっきりするのを感じます。カフェで物思いにふけったり、あれこれと考えたりすると頭が整理されますよね。それと同じ感覚です。この時間は欠かせないですね。

カフェスタイルの心地よさを、取り入れるコツ3つ

普段、私が落ち着く空間を作るうえで、意識していることが3つあります。

(1)「家具+壁」をひとまとまりの空間として考える
カフェで「お好きな席に」と言われたら、壁際など端の席を選ぶ方が多いのではないでしょうか。それは、空間の真ん中にあるテーブルよりも落ち着くからだと思います。自宅でも、テーブルを壁につけるとその落ち着きが再現できますし、「テーブル+壁」の空間ができ、そこに好きな物を置くなどして、より好みのスペースを作ることもできます。ダイニングテーブルを壁につけるのが大変だったら、小さなテーブル&チェアセットを用意して自分だけのリラックス空間を作ってもよいかもしれませんね。

(2)トレイを上手に活用する

生活感のあるものをバラバラと置くと散らかって見えてしまうので、木製のカフェトレイやカッティングボードを使って、“まとまり”を作るようにしています。おしゃれに見せてくれるだけでなく、掃除もしやすくて一石二鳥。我が家は、リモコンやテーブルの上の小物、電話台のメモ&ペンをそれぞれトレイに並べて置いています。バナナなどのフルーツも、カッティングボードやカフェトレイにのせるだけで絵になると思います。

(3)自分の好きなものしか置かない
自分の好みや必要なものを知るためには“俯瞰してみること”が大切だと思います。インテリアや雑貨にもトレンドがあり、いろいろ欲しくはなるのですが、本当にそれが好きなのか、自分の暮らしにしっくり合うのかを買う前に考えています。物を飾るときも同じです。離れてみたり角度を変えたりしながら空間を作っていくと、自分が本当に好きなスタイルに近づけると思います。

毎日の暮らしの中で、どんなに忙しく疲れていても、「ここに座ると落ちつく」という空間があることは、とても贅沢なことだと感じています。自分を取り戻す時間を作るために、心地よい“カフェスタイル”を住まいに取り入れてみるのはいかがでしょうか。


【関連記事】
インスタグラムフォロワー10万人!cafenoma(カフェノマ)に聞く、“自宅カフェ”の楽しみ方
プロに聞く! インテリアセンスアップの基本5か条

プロフィール:鞍田 恵子さん
インテリア&ライフスタイルエディター
メンズストリートファッション誌の編集を経て、2002年に独立。現在は、インテリア、ハンドメイド、料理など、ライフスタイル系の雑誌や書籍を中心に、企画、編集、執筆を手掛ける。本業の傍ら、手芸家として展示やワークショップを行っている。

(写真)鈴木真弓
(テキスト)大森りえ

おすすめの物件

暮らしのアイデア 新着記事

一覧

閉じる
お気に入りに追加されました

お気に入り一覧へ

まとめて資料請求できるのは5件までです

OK

お気に入りに登録にするには
会員登録が必要です

会員登録するとマイページ内でお気に入り物件を確認することができます。

会員登録