

- 廃棄物削減
階数表示に込めた
特別なストーリー
建築現場の木軸端材をアップサイクル!
~賃貸マンション共用部の階数表示を制作~
- #アップサイクル
- #木軸端材
- #木材活用
- #ワークショップ
建築業界でも、環境に配慮した新たな挑戦が注目されています。なかでも、廃材を活用して新たな価値を生み出す「アップサイクル」は、リサイクルを超えた革新的な取り組みとして話題を集めています。今回は、木軸端材を活用したアップサイクルプロジェクトをご紹介します。
唯一無二の魅力をもった
サステナブルな物件へ
プロジェクトのきっかけとなったのは、社内で建築物の木質化や森林サイクルを広める活動をしていた「木質化ワーキング」チームの取り組み※。その想いや意義に共感した「ザ・パークハビオ 都島テラス」(大阪市都島区)の担当者らが、「施工途中の物件でも何かできることはないか」と検討を重ねるなかで生まれたのが、階数表示制作のアイデアです。
マンション各階のエレベーターホールに設置され、小さな存在ながらも日常的に目にする階数表示は、物件の一つのポイント。「物件ごとにデザインを工夫することで、独自性を加え、差別化を図れると考えました」と担当者は語ります。

また、単に新たに木材を手配して作るのではなく、物件の内装仕上工事中に発生した木軸の端材であるLVL(単板積層材)を活用することで、建設現場から出る廃棄物量を減らしながら、この物件ならではのストーリー性を持たせることができると考えました。
この取り組みは、建物の魅力と環境への配慮を両立させる試みとしてスタートしました。
※本取り組み詳細については、森林と暮らしをつなぐ「木質化・森林サイクル勉強会」をご参照ください。
木材に命を吹き込むプロセス
このプロジェクトは、廃棄される端材を生まれ変わらせると同時に、社内外の関係者が直接木材に触れ、物件への愛着を育むことを目的に企画されました。数字部分を抽象的にデザインする案など、表現方法についての検討を重ねた結果、木片を型枠に詰め込むデザインに決定。型枠の準備と並行して、端材の加工順序も確認し、どのような方法で関係者と共創するかを考えました。そしてついに、制作イベントの開催に至りました。

制作イベントで生まれる
「つながり」と「価値」
三菱地所レジデンスの社員だけでなく、物件の施工会社や設計会社といった関係各社も交えて開催した制作イベントでは、まず端材をやすりがけし、木材用ペンキで着色。ささくれが付いて廃棄予定だった木片がなめらかで色鮮やかな姿へと生まれ変わる様子は、参加者にも印象に残っています。その後、着色した木片を型枠に詰め込み、個性豊かな階数表示が完成しました。

なめらかになるよう、端材をやすりがけ(第1工程)
建物をつくる過程に関わる全員が、一緒に手を動かして完成した今回のイベント。「普段、木材に触れる機会は少ないので、このイベントを通じて木の魅力を感じてもらえたら」という物件担当者の狙い通り、木のぬくもりや可能性を感じながら、物件に関わりのある社員だけでなく、同物件に直接的な関わりのない多くの社員までもが物件のピースを一から作り出す貴重な機会になりました。廃材として捨てられるはずだった木材が、工夫を加えることで特別な価値を持つものに変わる。そんな体験を通じて、建築の現場から人の心へとつながるストーリーが生まれた1日でした。

やすりがけした端材に思い思いの色を塗る(第2工程)
廃材が伝える未来へのメッセージ
担当者に話を伺うと、「階数表示の制作を通じて、多くの社員から様々なリアクションがありました。実際に制作に携わった参加者からは、木を手作業で加工する工程の一つ一つから、その扱いづらさや、普段当たり前に接する木材家具や小物にも見えないところで手間がかかっていることへの気づきが得られました。また、参加者以外でも、できあがった階数表示を見て、完成までの木材端材の歩んできたストーリーに強く関心を抱いてくれました」とのこと。
廃棄予定の端材が物件に価値を加え、長く人々の記憶に残るアイコニックな存在へと生まれ変わった今回の取り組み。こうした活動が他の物件にも広がり、多くの人が木材やアップサイクルの可能性に気づくきっかけとなれば、持続可能な未来への確かな一歩になるのではないでしょうか。
※この記事の内容は2025年2月14日の掲載時のものです。


※この記事の内容は2025年2月14日の掲載時のものです。

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